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千尋の心に ページ26

ハク「千尋。後少しで元の世界に戻れるよ。」


ハクは優しく声をかけたが

千尋の耳には冷たく響いた。



千「やだ……帰りたくない。」


ハク「千尋…帰らなきゃいけないんだ。ここにいたままでは千尋の身に何があるか分からない。誰とも契約してないからね。」


千「…契約すれば平気なの?」


ハク「…契約するべきではない。」


千「いや!私元の世界にお父さんもお母さんもいないわ!友達に合わせる顔だってない、暮らしてけるようなお金もない!独りは嫌…。」


今までの不安を爆発させたかのように
千尋は泣き叫んだ。


千「それならここでずっと…ハクと一緒に…。」


ハク「千尋、お願いだから。ここにいては千尋は絶対に幸せにはなれないよ。」


千「どうしてそんなこと言うの…?ハクがいればそれでいいもん……それだけで…っ」


とめどなく流れようとする涙を堪えきれず
千尋はハクの部屋を飛び出した。



エレベーターに乗って
湯婆婆の部屋へと走る。


湯「なんだいうるさいね!今度は誰だい。」


湯「…千尋かい。何の用さ。」


千「……ここで働かせてください!」


湯「……」



千「働かせてください!!」


湯「千尋」



千「働きたいんです!!働かせてください!!!」



湯「お黙り!!!!」



千「うっ…ぐっ……働かせて…くだ…さい……。」


湯「馬鹿なことを言うんじゃないよ!それはできんね。帰りな。」


千「いやっ…働かせてください…」


湯「しつこい子だね。いいかい千尋。
同じ生き物とは二度は契約を結べない。
これがルールだ。破った暁には私もお前も
どうなるか分からないよ。」


千「そんな……。」


湯「千尋。お前はハクのことが大切かい。」


千「はい…とても…。」



湯「ならハクの言う通りにしてやんな。今まで散々ハクに頼ってきたんだろ。」


湯「あの龍の我儘を聞いてやれるのはお前しかいないんだ。」


千「わがまま…?」


湯「そうさ。ハクにどうしても叶えたいことがやっとできたんだ。
お前はそれすらも受け入れないつもりかい。」


千「…」


湯「…部屋へお戻り。」


千尋は湯婆婆の魔法によって背中を押され
部屋の外へと締め出された。


私の「ハクと離れたくない」という我儘と

ハクの「私を帰らせたい」という我儘


愛とは自分を犠牲にしてでも相手の善に尽くすことだと

そう誰かが言ってたの。


千「いいよ、ハク…ハクのお願い事」

千尋は涙を振り払う。

千「きいてあげる…。」

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設定タグ:千と千尋の神隠し , ハク , ジブリ   
作品ジャンル:恋愛
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やっさん - この作品、完全に映画の続きの設定ですね。千尋がハクと再会し、千尋がハクとの恋におちます。切ないこのだい一篇の結末ですが、まだまだ本番はこれからです!千尋の両親の運命は?続編お楽しみに!! (2018年8月12日 20時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
airi - な、涙が止まりません・・・、この作品最高です^^ (2017年1月4日 3時) (レス) id: ccd59f3af1 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ふゆきさん» 返信遅れてしまってごめんなさい…!最後まで読んでくださって本当にありがとうございました(´;ω;`)嬉しいお言葉励みになります、ありがとうございます! (2015年2月21日 15時) (レス) id: 3184e8d971 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - 最後まで見て感動でいっぱいでした。 (2015年2月9日 23時) (レス) id: 83691007b7 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 楚誉さん» そんな事言っていただけで嬉しい限りです!いつも見てくださっているんですね、本当にありがとうございます(´;ω;`)続編にも突っ込みそうです…これからもよろしくお願いします!! (2014年12月8日 13時) (レス) id: 3184e8d971 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さき | 作成日時:2014年11月29日 15時

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