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cap17 ページ18

<コード>

涙を拭い、立ち上がる。

こんなところ、船長に見られたら、いつまで泣いてるんだ、って怒られちまう。

そう考えると、思わず笑みがこぼれた。

「…よし」

立ち上がり、店内に入ろうと扉に手をかける。

手をかけた瞬間だった。

強い覇気を感じ、思わずその場を離れる。

ガガガッ、という音をたてて武装色を纏った矢が地面に突き刺さった。

あと数秒飛び退くのが遅れていたらと思うと、ゾッとする。

串刺しになっていたかもしれないのだ。

もう死ぬわけにはいかない。

矢を放った奴を探そうとその場を見渡す。

すると、ヤルキマン・マングローブの上から一人の女が飛び降りてきた。

「お見事ですよ、我らが王」

「何の話だ…僕は王なんかじゃない」

僕の言葉を聞いて、ニヤリ、と不気味な笑みを浮かべた女。

何故か冷や汗が溢れ、背筋が凍った。

「ルピウス・D・コード様、ですよね??何年も何年も…世界中を探したんです。間違いありません」

一歩ずつ、確実に近づいてきている女。

僕は蛇に睨まれた蛙のように動けなかった。

「何千年に一度…王はこの世界にやって来る」

気づけば、女は目の前にいた。

ぁ…あ…、と情けない声が洩れる。

「何を怖がっているんですかぁ…??」

女の目は虚ろで焦点があっていない。

なのに、何故か目が離せない。

心無しか息もしにくいように思えた。

___何故??

そう思った瞬間、肩に手が置かれた。

「___コード君、大丈夫か??」

「っ!!!……あぁ…平気だ…」

そこにいた筈の女はもういなかった。

今まで動けなかったのが嘘のように体から力が抜ける。

「顔が真っ青だぞ…何があったんだ」

「女が……いや、何でもない…」

黙って座り込んでいる僕の頭をくしゃっと撫でたレイリーは何も聞いてこなかった。

聞いても教えてくれないのが分かっているからだろう。

長年の付き合いのおかげでその辺はよく分かっているのだ。

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作者名:LIMONADE x他1人 | 作成日時:2015年11月23日 11時

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