雪が降る夜に【ONE PIECE】 (ページ17)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:46,309 hit

cap16 ページ17

＜ﾚｲﾘｰ＞

やはり…。

心に負った傷はまだ癒えないか…。

「おっさん。ｺｰﾄﾞの奴、どうしたんだ??」

「あぁ…彼奴はﾛｼﾞｬｰの事を誰よりも尊敬してるからな…。まだ死を受け入れていないのかもしれんな」

ﾛｼﾞｬｰが処刑された日。

彼奴は酒を煽った私の隣で泣き叫んでいた。

彼奴の涙を見るのは初めてだった。

一晩中泣き続けたｺｰﾄﾞは目を真っ赤に腫らして枯れた声で呟いた。

＿＿＿勝手に逝きやがって…あの世で後悔するんだな…!!!

あれほど笑った日は無い。

あれほど泣いた日も無い。

あれほど酒を飲んだ日も無い。

「死に際にﾛｼﾞｬｰは大航海時代を幕開けた…。それを聞いた彼奴は笑っていたよ。何とも言えない、悲しそうな笑みだった…」

＿＿＿なんか…凄っげぇ船長らしいな。

もう一度、彼奴は私の前で涙を流した。

あれから彼奴の涙は一度も見ていない。

今では立派な海賊だ。

「そんな事が…」

「なんか凄ぇ話聞いちまった気がする…」

呆然とする彼らを見て、ふはは、と笑う。

「彼奴は一見、近寄り難い感じがするだろうが…まぁ、気軽に話しかけてやってくれ」

おうっ、と肉を頬張りつつ言ったﾙﾌｨ君。

「あ、そういえばよ。ｺｰﾄﾞって何歳なんだ??」

「あ、確かに…。見た目は20歳ぐらいだけど…本当の所、どうなの??」

不思議がるのも無理は無いが…。

「残念だが、私も知らんのだ。体質だの能力がどうのこうのと言われて誤魔化されてな…。何しろ、昔からあの容姿だからな…」

「じゃあ、彼奴も何かの能力者なの??」

「案外、そうかも知れないな」

何年も一緒にいるのに教えてくれなかった。

聞き出すのは至難の技だと思うが…。

…まぁ、それは黙っておくとしよう。