CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？【utit】 (ページ19)

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「え、うらたんまで？...いや、気ぃ早すぎひん？」
「何言ってんだよ、実際コイツを連れてくるようお前が俺に推薦したのもこの体質が理由じゃん。試させてくんないの？」

う、と言葉に詰まった彼。どうやら先程のうらたさんの言葉からして、私を連れて来ようと提案した真犯人は後ろの彼らしい。

...いよいよ訳が分からなくなってきた。

私にお菓子を食べさせることを不承としていた彼は黙り込んでしまったし、他の誰かに助けを求めようにも振り向いた先にいた志麻さんは、先程とは打って変わって心底面白いものを見ているといった表情でこちらをじっと見ているだけ。どう見ても助けてくれるような雰囲気ではない。

「大丈夫やって、ついさっきセンラのケーキボックスから勝手に取ってきたやつやから、間違いなく粗悪品とはちゃうから」
「いや何で勝手に俺の取っとんねん！...いや、俺のやつやったらええんか...？」

先程までの持論を崩しかけているセンラさんにもうダメだと観念し、坂田さんの持っていたカップケーキを受け取る。

こうなったらもう、食べるしかない。覚悟を決めて一口、控えめに口に含んだ。今まで物理的な損傷以外は跳ね除けてきたこの身体でも、未知の物質を取り入れる事には不安がどうしても付きまとう。

今までの経験からするに、今朝のような件でなければ異常は見られない筈だが──

「ふはっ、食ったな？...それを食うと普通の人間ならすぐに体温が上がり、動悸、息切れ、次第に俺らのことしか考えられなくなって──」

目の前で得意げな顔、流暢に言葉を並べるうらたさん。その顔は段々と疑問で埋め尽くされたかのような表情へ、それは次第に興味を示しているかのように、口角を上げた。

「──本当に効かないんだな、顔色ひとつ変わってねえじゃん」
「...ほんまや、身体もあっつくない？」

ぺた、と額に当てられた坂田さんの手のひら。それ自体はひんやりしていて気持ちがいいが、私自身は特に身体に変化は見られない。体感している体温、温度も変わりはないような。

いかにも不思議だ、といった表情で私の顔を覗き込んでくる坂田さんに「暑くはないですね」と返すと。信じられないのか、ほんまに？と何度も聞いてくる彼に頷く。

...あれ、またスン、と鼻を鳴らしたような。

「...はい！今日はもうええやろ？連れてきてから結構時間経ってるし。てかお腹空いてるんとちゃいます？」