CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？【utit】 (ページ17)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:44,848 hit

2-5 ページ17

「改めまして」と口を開いた目の前の彼。唇をきゅっと結び、自信ありげな笑みを浮かべて私を見下ろした。

「俺はうらた。USSSのリーダー、まとめ役みたいなとこ」

外に跳ねた茶髪、翡翠のように緑に輝く大きな瞳。容姿から一番若そうな印象を受けるが、彼がリーダーの立場に当たるらしい。
私から視線を外し、上の方へと向けた。それに習って私も振り向き、見上げると。ばっちりと目が合ったのは例の金髪の彼である。

「アンタの後ろにいるのがセンラ。...ずっとニコニコしててちょっと気持ち悪ぃけど気にすんな」

うらたさん、の言葉通り彼は私と目が合ってからずっとニコニコしている。「気持ち悪い」と言われた時に「うらたんひどい！」と少しだけむすっとした顔で言い返したものの、また私に視線を戻すとふんわりと微笑んだ。

...謎だ。

「で、俺の後ろにいるのが坂田。コイツもずっと何か食ってるけど気にすんな」

うらたさんの方に視線を戻すと、いつの間にか彼が座っているソファの背もたれに腕を預けて、こちらにひらひらと手を振っていた坂田さん。
うらたさんが言った通り、彼は口に棒付きの飴を咥えて、振っていない方の手には先程うらたさんに渡していた甘味を返して貰ったのか、カップケーキのようなものを持っていた。

「アンタの左後ろ、座ってんのが志麻。人見知りだからAには冷たいかもだけど気にしないで」

振り向くと、少し遠くの方で大きな銃を磨いている紫髪の彼の姿が見えた。彼はうらたさんの言葉に「人見知りちゃうわ」と短く返すと、視線を私の方へ向けた。

...が、目が合うとしばらくしてすぐに興味を失ったかのように逸らされてしまった。人見知りというよりかは、本当に興味が無いといった表情で。

この4人の中で一番初めに会ったのは彼だが、とことん良い印象が無い。急に現れて私を肩に担ぎ上げた挙句同僚を気絶させ、更には研究室の仲間達を花を手折るかのように素手でねじ伏せてしまったから。

彼は私から目を逸らした後、また銃を磨く作業に戻った。彼のスペースなのだろうか、周辺には様々な武器と思われるものが壁に掛けられていたり、床にあちらこちらと散らばっている。そういえば、拳銃の扱いが上手かったな──などとつい先程の記憶が脳裏をよぎる。

...と、考え込んでいたせいか、丁度真後ろの至近距離まで近付いた坂田さんの顔に気付かなかったのである。