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「あのな、A」
少し、急ぎすぎたのかもしれない。
少し、焦りすぎたのかもしれない。
少し、強引すぎたのかもしれない。
目の前で嬉しそうな顔をしている彼女の気持ちを、理解出来ていなかったのかもしれない。
「...大事な話があって」
人払いをした街の中、橙の夕暮れに照らされる彼女はとても綺麗で。
俺が「大事な話があるから」と言うと今までの緩みきった頬を必死に直そうとして、唇をきゅっと結んだのが愛らしい。
「なに」、と問う彼女は恐らく、今から俺が言う言葉をわかっている。
『人を見抜く力があって』、鋭い彼女のことだからこの言葉が嘘ではないこと、真剣な言葉だということも理解するだろう。
困らせてしまうかもしれない。それでも。
この気持ちに、偽りなど無い。
「今までちゃんと、伝えてへんかったから」
「うん」
「あのな、A...俺。俺、Aの事が好き」
知っていたとでも言うような顔、でも僅かに揺れ動く瞳。
本心だと思いたくないのか、その瞳は俺の目ではなく鼻や口の方を見ている、気がする。
目を見ると、真実だと理解してしまうから。
「これから先、どうなるか俺にもわからん。でも...でも。俺は、その時Aに隣にいて欲しくて」
こくこく、と頷く彼女。
分かっている、分かっているのだ。彼女がとても優しくて。でも、とても怖がりだということも。
「私...私。わたし、ね。本当に、本当のことなんだけど。...嫌いじゃあ、ないんだよ、志麻くんのことも、センラくんのことも。むしろ、好きな方で」
その"好き"は、俺と同じ"好き"なのか。
「私、わからないんだ。好きでも一緒にいていいのかどうか、好きでも...好きでも。好きなのに、自分が許せない」
ペンダントを握り締めて話す彼女は。
「私、自信がないんだ、君たちと一緒にいていいっていう自信が。...志麻くんには...志麻くんには、一緒にいて欲しいって、言われてるのに、言ってくれてるのに。
っ、う、私、ダメだな。ダメだな、本当に...」
そんな顔を。そんな顔を、させたかった訳じゃないんだ。
俺は、俺は。
「ごめん、ごめんね、私。私、君たちと一緒にいたいのに。いていいと、許せる自分がっ...自分が。っう...はは、ごめんね、なんで、泣いてるんだろ、わたし」
無理に喋ろうと、説明してくれようとする彼女に。
夕焼けに溶けてしまいそうな彼女に、手を伸ばした。
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ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫）） - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (7月2日 21時) (
レス) @page50 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
可愛い後輩ちゃん - 完結おめでとうございます‼とても私好み過ぎて1~3、一気読みしてしまいました,😌素敵なお話ありがとうございました!! (2022年2月23日 22時) (レス) @page50 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
結月。(プロフ) - 続編3作に渡る連載、本当にお疲れ様でした。作者様の作品と出会ったのが遅かった私ですが、どのお話も面白くてついつい夜更かししてしまうくらい読んでしまっていました。素敵な作品をありがとうございます。幸せな時間を過ごせました。本当にありがとうございました！ (2022年2月15日 3時) (レス) @page50 id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
きょう - 完結おめでとうございます！！幸せでよかったです...！めちゃめちゃ面白かったので一気見させて頂きました...本当に素敵なお話をありがとうございました！ (2021年8月1日 19時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 連載お疲れさまでした。毎話すごく楽しかったです。今回もすてきなお話ありがとうございました！！ (2021年8月1日 14時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#N/A | 作成日時：2021年7月4日 15時
