》139 -Zaurak- ページ46
「わはは、引っかかった」
「A、おはよ」
絶句。
振り向いた先にいたのは────
紫髪の彼と、金髪の彼。
「えっ、わあ！？...........むぐっ！？」
「アホ、大きい声出すなや、変に思われるやろ」
え？え？
なんで、どうして？見慣れた制服姿の彼らがここに？
「志麻く、え？センラくん、本物？」
「あはは、本物本物」
「言うたやろ、『絶対迎えに行く』って」
ニッと笑ってそう言う彼に、思わず視界が揺らいだ。
小さく息を吐いて、その涙を堪えて。後でならいくらでも泣いていい、今だけは。
「...まあ、おかげで向こう200年ぐらい星に帰れへんくなったけどな！」
「はっ......えっ！？」
200年。帰れなくなった？と聞くとおう、と普通に頷く彼ら。
「いや、王族ちゃうかったら打首みたいなもんやからなあ、王族でよかった〜」とかほざい...え？
「わ、私のせいなんじゃ」
「いや？この未来を選択したんは俺らやし」
優しく微笑む彼は、散りかけの桜が舞う中強く、頼もしく見えて。
それでも、自分が決意したことの事の大きさに、申し訳なさに俯いてしまう。
「...A、これが俺らの選択で、俺らがしたかったことやから」
な、俺らの願いって何やったと思う？という彼に。
私が首を傾げると、くしゃっと笑って。
「『Aが幸せであること』と『自分の隣にAがいてくれること』」
「Aが幸せな時に、その隣で嬉しそうな顔見れたらそれが一番嬉しいなって」
「...っ、あはは、自分から隣に来ちゃってるじゃん...」
それもそうやな、と笑う彼らに。
そうだ、そうなんだ。
私が願ったこと、"こんな毎日がずっと続けばいいのに"、という願いには。
「...Aのお願いにはさ、"俺らと一緒におること"も含まれとるんとちゃう？」
自信に満ちた顔で言う彼は。どうしようもなく────愛おしく、思えて。
「...自惚れすぎ」
「え！？」
「いや、うそやん！？」
「...ふふっ、嘘！正解、私には二人が必要なんです！」
堪えた涙、少し熱くなった頬を隠すように前を向いて歩き出す。
よかった〜、と言いながら早足でこちらに追いつく彼ら。
今は少しだけ、この奇跡に浸らせて欲しい。
三人で笑いながら歩くこの瞬間は、日常でありながらも奇跡だった。
その、自ら選び取った奇跡を手放さないように。
...24時を過ぎても解けない魔法は、ここにあったんだ。
優しい風が、桜と共に私の頬を撫でた。
end
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ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫）） - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (7月2日 21時) (
レス) @page50 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
可愛い後輩ちゃん - 完結おめでとうございます‼とても私好み過ぎて1~3、一気読みしてしまいました,😌素敵なお話ありがとうございました!! (2022年2月23日 22時) (レス) @page50 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
結月。(プロフ) - 続編3作に渡る連載、本当にお疲れ様でした。作者様の作品と出会ったのが遅かった私ですが、どのお話も面白くてついつい夜更かししてしまうくらい読んでしまっていました。素敵な作品をありがとうございます。幸せな時間を過ごせました。本当にありがとうございました！ (2022年2月15日 3時) (レス) @page50 id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
きょう - 完結おめでとうございます！！幸せでよかったです...！めちゃめちゃ面白かったので一気見させて頂きました...本当に素敵なお話をありがとうございました！ (2021年8月1日 19時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 連載お疲れさまでした。毎話すごく楽しかったです。今回もすてきなお話ありがとうございました！！ (2021年8月1日 14時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#N/A | 作成日時：2021年7月4日 15時
