【sm】真夜中、星雲旅行24時【snr】 (ページ7)

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「さて、本題に入るけど」
「はい、どうぞ」

「君、意外と淡白やんなあ」と驚いたような顔で言われ。
「お姫様とかに憧れる子って、結構女の子女の子してて俺らにキャーキャー言う感じかと思っとった」だそう。

自らが美形であるという自覚はあるらしい。
女の子女の子、というものの具体的なことは分からないけれど。この宇宙人達が学んだ女性像はどんなものだったのだろうか。

...公園にいた時は高揚感や勢いに任せて「なります、お姫様！」とか言ってしまったけれど。今から訪れる数々の未知に、冷静になるとかなり足が竦む。
強がって何にも興味がなさそうな、クールな自分を演じてみせるが。実際の頭の中身は焦りっぱなしなのである。

「...まあ、ええけど。じゃあ手短に俺らの星までの道のりを、君がお姫様になるまでの道のりを説明させてもらおうかな。俺とセンラで」
「...あなたと、センラさんで」

紫の彼の片眉がピクリ、動いて。
黄色の彼────センラさんが、あっと察したように声を出した。

「そう、センラとま...志麻くんで」
「すみません、ありがとうございます」
「お、お前」

せっかく自己紹介したのに覚えてへんかったんか。そう言いたそうな顔。
あれは自己紹介というか他己紹介だったし、それに対するインパクトが強すぎて主軸の方の名前を忘れていた。
という言い訳を並べつつ、実際はただ人の名前を覚えるのが苦手なだけである。
最初から覚える気がない。
先は名前を覚えてようが覚えてなかろうがどうでもいい存在だったが、今はそうではなくなったので、仕方なく。

...いや、それは強がりだ。素直に聞けばいいのに。
これが私の悪いところ。自覚を持って、どうにか軌道修正しようとする。

「...すみません、名前覚えるの苦手で」
「素直に謝るならよし。じゃあ説明しよか」

パチン、彼が指を鳴らすと鈍い音を立てて空中にモニターが浮かび上がる。
これはいわゆる宇宙人マジックじゃなくて、地球には存在しない高度な科学技術というやつだろう。
わ、私、宇宙人マジックを普通のものとして認識し始めちゃってる。

「これが地球。で、俺らの住んでる星がここ」

画面上には、青く光る惑星と虹色に光る惑星が並んでいた。
に、虹色。どんな星だよ、と彼らの顔を見たけど特に変な風には思っていないらしく。

え、ほんとに虹色なの？と思う私をよそに説明は続けられた。