【sm】真夜中、星雲旅行24時【snr】 (ページ45)

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「えーっと、今おる星は...α Camelopardalis(アルファ・カメーロパルダリス)やな。きりん座のα(アルファ)星、やけどまあ、あんま明るくないかな」

線で繋がれた星々は、センラくんの言う通りあまり星一つ一つは明るくはない。
きりん座かあ、確かに線で繋がれたらそう見えるかも。と馴染みのある動物の名前が出てきたから想像がしやすくて。

「星言葉は？」
「"協調性ある恋愛上手"」
「...な、るほど。」
「相合傘？」

まだ何も言ってないでしょうが、と右斜め前に座るセンラくんの肩を叩く。
ほんま俺に言うてくれたら急いで下駄箱行ったんに、と言う志麻くんにも同様。

「やけど意外やったなあ、相合傘してみたかった〜って」
「...違うの、私別に相合傘をしたかった訳じゃなくて。結果的にそうなってしまっただけで」
「またまたぁ」

またまたぁ、ではない。
実際のところ、自分では『やりたい事や願い』に関してあまり分かっていない為、強く否定できる訳では無いのだけれど。

ただ。
『これがしたかったことなのかも』、と何かを悟ったのは事実で。
「別に隠さんくってもええんやで？」とニヤケ顔で言う今の彼からは想像もつかないが、あの時の黄色の彼はとても、美しかった。

─────今でも彼が何かを隠していることに、違いは無いが。

「恋を、したかったのかもなあ」

その言葉は、すっと夜空の闇に吸い込まれていって。
見上げると、変わらず星が輝いている。

「なんや、そのもう遅いみたいな言い方」

左斜め前、志麻くんが座っている位置だろうそこから聞こえてくる彼の声に。
何も返さなくてもいいのか。甘えても、いいのだろうか。
答えを出さないことは、曖昧でいることは、甘えである。

非常に、自分勝手な行動だ。

「別に遅いって―――思ってるわけじゃないけど。自分はまだ、できないって思ってるのかも」

ぽつり、勝手に出てきたその言葉は。
既に甘えている証拠で。

「...でも、恋がしたいって思ってるかどうかは私もわかんないや。未だに昔は『お姫様になりたかった』ってことしかお願いもわかんないし」

星空を眺めながら、呟く。

下を向いたら、勝手な事を言う自分と眩しい彼らを比べて、自己嫌悪に押し潰されてしまいそうになるから。