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「うんま、なにこれ」
「あれ、マカロン知らなかったんだ」
「…この間雑誌見せへんかったっけ、覚えてへん？」
あー、と食べかけのマカロンを持ちながら、顎に手を当てながら考え込む彼。
パチン、と思い出したような顔をして鳴らした指、魔法の合図だからか周りには星が散らばっている。
「でもあれこんな果物とか挟まってたっけ？」
「ちょっと豪華なやつ、これは。あれより見た目も派手でかわいらしいやろ？」
「うん。凄いねこれ、どこのやつ？」
ニッと笑った彼は、「駅前に新しくできた店のやつ」と得意げに言った。
おう、最近よく並んでるって話題の、って会話は。もう種族の違いなど感じさせない会話で。
最初の頃はチグハグな常識がお互いズレを生んで気味が悪いと思うときもあったのになあ、と懐かしく思うティータイム。
エスコート、と言って手を引かれた先には真っ白なアンティーク調のテーブルセットがあって。
テーブルの上には英国式アフタヌーンティーセットが。
…英国式なのに伊国や仏国発祥と言われるマカロンが乗っているのはどういうことなのかと言いたくなるが。
物語で見るような、あのケーキスタンドに色とりどりのお菓子が乗っているのは、まるで宝石箱のようで。
素敵なティーカップから立ち昇る湯気を目で追って、夜空を見上げると満天の星。
……アフタヌーンティーなのにディナー？と少しずつツッコミどころがあるのは置いておこう。
「そういえば。この星空って本当の星の位置と一緒？」
「おん。何か知ってる星とか見つけた？」
「いや全然。星は全く詳しくないからなあ」
見上げた夜空、まるで精巧に作られた美術品のように美しく輝く星々。
私が知っているのは夏の大三角形とか、それぐらい。
「うーん、有名なん言うてもすぐ調べれば出てくるもんやしなあ」
「…あ。今まで行った星は？」
「え、あれこの空に浮かんでんの」
「っふ、いやいや。あれは次の星のリソースの一部として再利用されるから次に行くときにはないねんけどな」
「名前。星の名前が実際ある星と一緒なんよ」
へぇ、と声を漏らす。私たちが巡ってきた星は───あまり記憶力に自信がある訳ではないが、おそらく一か月ごとに変わっていたから。今は六月だから、三つ目なのか。
「一番最初は
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作者名：#N/A | 作成日時：2021年5月31日 19時
