【sm】真夜中、星雲旅行24時【snr】 (ページ40)

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「よう見ときや？」

素直に、自慢げな顔でペンダントを握る志麻くんをじっと見つめていると。
段々頬がうっすら赤く染まってきて。え？と疑問符を頭の上で浮かべると、「いや俺やなくて」、と言われ。私の隣でセンラくんがくすくすと笑っている。

「空！空の方見といて！」
「そ。空、よう見とき」

彼らの言葉にこくこくと頷いて、晴れた空をじっと見つめる。ペンダントを握っているということは魔法を使うんだろう。果たして何を見せてくれるのか。

「じゃ、センラ」
「ん、タイミング任せる」

志麻くんの「せーの」という言葉の後、彼らが指を鳴らした音が聞こえて。
やけに大きく聞こえたその音は、空間に響くように広がって行き。

瞬間、今まで青く広がっていた空が夜の闇に包まれる。
わっと驚いたのも束の間、周りから光が溢れていることに気がついて。

今まで住宅や電波塔だったものが、全て光の粒になって夜の闇にふわりと舞い上がっていく。

ぽつり。思わず「綺麗」と口からこぼれて。

深い深い闇で覆われた世界を小さな光の粒が揺蕩う。やがてそれは天高く舞い、星のように夜空に煌めく。

「すごい…星が、たくさん」
「はは、念入りに準備した甲斐があったわ」
「ほんまに。こんだけ広いとこでやったら綺麗、やなあ」

星空を広げた彼らもその瞳に星を映して。
夜空に広がる星を映すその瞳は、まるでガラス玉のように煌めいていた。

辺りを見渡すと、地面にも星が輝いて────いや、反射してるんだ。ガラスのような床に幾つもの夜空に浮かぶ星が映って。
辺りには何もなくて。まるで三人だけ、星空に包まれているみたいで。
先へと歩めど歩めど、終わらない星空。あまりにも綺麗で、思わずため息がこぼれる。

「A」

名前を呼ばれて、振り返ると。

初めて彼らと会った時と同じ、パイロット姿の二人が目に映る。

あの時はロマンチックの一欠片すらなかったけれど、いや、むしろ自分がどうしたいかを考えるのに必死で。
綺麗な星空と相まって、彼らはまるで本当の王子様のように見えて。
ゆっくり彼らの元へ歩くと、それこそ記憶と同じように。
手を、差し出されて。
素直に両手を伸ばそうと─────いや。

「もしかしてドレスに変えようとしてる？」
「正解。手、取って」
「あ、ダメだよ。今日せっかくロケットさんに選んでもらったのに」

素直にそれを言うと、志麻くんは眉をひそめて。センラくんは困ったように笑った。