【sm】真夜中、星雲旅行24時【snr】 (ページ39)

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翌日。運良く、本日は梅雨の晴れ間。
ただ高温多湿であることに変わりは無いが。

昨日ロケットさんに相談したアレは、【次の星でも設備は同じものを使用致しますので、本日中に更新を終えておきます】という返答が。

あの後、志麻くんとセンラくんは正座させられていた。ざまあみやがれ。
急にしおらしくなった二人が「じゃあ今日は丁寧にエスコートさせて頂きますので…」と言った際は逆に引いたぐらい。怖いのでその接し方はちょっと…と断った。

ロケットさんに選んでもらった服を着て、お化粧までしてもらって。
私なんかにはもったいない、上質なもののはずで。

「ふぅん。オペレーターの見立ても中々ってとこちゃう？」
「おん、俺らの魔法と比べたらその次ってとこやけど。えらい可愛らしくしてもろうとるやん」

"俺らの魔法と比べたら"という部分が強調されていたけど。
魔法、というのは例のガラスの靴やお姫様のようなドレスのアレ、だろう。何故対抗心を燃やしているのかはよく分からないが。

「ロケットさん凄いよね。コーデがオシャレで可愛くて」
「あー、それもそうやけどAが───」
「私？私は服に着られちゃう人間だからなあ」

「......あぁ、なるほどな」

志麻くんとセンラくんが顔を見合わせて何か言いたそうにしていたが。
そう、私にはもったいないぐらいの、いい服なのだ。【今日は特別ですからね】とロケットさんが用意してくれたが、私はまだ肝心の行き先を知らない。

何かを持ってこいと言われていたら、それがヒントになっていたかもしれないけど。
彼らから「別になんもいらん」と言われていたので諸々のズレが起きている、メッセージアプリだけが使用可能なポンコツスマートフォンだけを持って玄関前で靴を履いていた。

「ところで。今日はどこに行くんですか？」
「ほんまはショッピングモールとかにでも行こかなって思ってたんやけど。昨日オペレーターに怒られたから今日は特別に」

玄関のドアを開けて、いつも通りに家を出る彼らについて行く。
家の前の道路で立ち止まった彼らを不思議に思い、少し後ろで見ていると。

「Aちゃん、もっとこっちき」

手招きされて彼らの間に入るけれど。これから何をするのだろう。

いたずらっ子のような笑みを浮かべる彼らは、首にかけたペンダントをそれぞれ握った。