【sm】真夜中、星雲旅行24時【snr】 (ページ32)

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それはもう、平凡に。
何の変化もなく、降り続ける雨のように。

そろそろこの星に来てから一週間が経つ。
しとしと、時にざーざー。梅雨の間にこれでもかと降る雨を、登下校のうちは嫌に思いながら。窓の外を見つめるときは、綺麗だと思いながら、見つめていた。

私たちの生活にあまり変化は訪れなかった。前回の星でも結局自分の願いが何かはわからなかったし、今回もよくわからない。
ただ、前回の五月の例があってか、彼らは特に焦るような素振りは見せていなかった。

むしろ、私が『自由に過ごして』と言ったからかその自由を存分に謳歌している。
今まで帰宅部だったようだが、出遅れて部活動を始めたらしく。よく今の時期に入れるな、と感心していたが。

話を聞くに、かなり活躍しているらしくて。元から心得があったのか、一年生の中ではずば抜けて上手い、らしい。
クラスメイトから聞いた。あと本人達からも聞いた。
だから途中からでも入部して中に入れる自信があったんだな、と納得して。

ある日。
午前中は曇りだったからといつもの傘ではなくて、いつも通学用カバンに入れている折り畳み傘でいいだろうと思って、傘を持たなかった日。
下駄箱でいつものように靴と、カバンから折り畳み傘を取り出し────あれ、ない。

うわ、どこに忘れたんだろう、と記憶を辿って。
昨日確か乾かしておいた折り畳み傘を畳んだ記憶はあるんだけどなあ、と。そこまで考えて。

……玄関に置いてきたな。

そこを思い出すのは容易であった。
部活を始めた彼らは、今日は朝練があるからと私とは家を出る時間が違ったのである。
そこでたまーに二人のどちらかが気付いてくれるのが私の傘事情で。今日は、どうあがいても無理だった。

いや、私がしっかり確認するようにすればいいだけなのだが。

参ったなあ、家まで走って帰るしかないか、と思いつつ見た天気予報アプリ。
お。上手くいけば少し雨が止む時間帯があるかも。
さすがに今のバケツをひっくり返したような雨の中、走って帰るのは得策とは言えない。

…こんなに雨が降るなら最初から折り畳みではなく、普通の傘を持ってくればよかったのでは？なんて思考が頭の隅でよぎるが、今日のこれは今後悔しても仕方がないので置いておこう。
これは明日からの教訓とする。

今日出された課題が複数あるし、それでも終わらせるか。と私は図書室へと足を運んだ。