【sm】真夜中、星雲旅行24時【snr】 (ページ26)

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意外と宇宙人の彼の体温は高いらしい。もう既に風邪ひいてるんじゃないの、と不安に思って「体温高くない？あったかいね」と彼に聞くと。
「種族的に元から体温が高い」とぼそり、返されて。ついでのように「あったかいんやったら」と手まで握られてしまった。

少しの、沈黙。

なんだか少しぐらいは心を開いてくれたらしく。謝るなら今しかないのかも、と意を決して口を開こうとして。

「あの」「なあ」

タイミングが、悪い。
彼の手に少し力が入って、また抜ける。「いいよ、先に言い」という言葉と一緒に。

「…ごめんね、体育祭の時」
「……いや、俺も悪かった」

意外と素直に出てきた、謝罪の言葉。
彼も同じことを言おうとしていたらしく、驚きもなさそうに謝罪が返ってきた。

「あの時、混乱してて志麻くんに突き放すようなこと、言っちゃったかもしれないって。あとで気付いて」
「…俺も。勝手にこうしたらAが喜ぶやろーとか、勝手にやって失敗して、で自分勝手に怒って」

「ほんまに、すまんかった」。そうつぶやく、横目で見るといつもより小さくなって縮こまってしまったように見える彼の、その手をギュッと握って。

「でもね、志麻くん。私、志麻くんのおかげで話せる子、増えたんだよ」
「え？」
「リレーすごかったねって。話しかけてくれる子も増えて、人と話すのも慣れたよ」
「…そう、なんや」

何故か、学校の同級生とはあまり上手く話せない、人見知りの私。
それが最近、彼がやったリレーの一件から話しかけてくれる人が増えたからか、慣れて。
…そう話すと、返事をする彼の声はどこか救われたような、嬉しさを滲ませた声に変わっていて。

「でも、今度から体育の授業で困っちゃうから次はやめて欲しいかなあ」
「う、すまん」

"今度はやめてね"と釘を刺して。

いつの間にか、彼と普通に話せるようになっていた。
少しくすくすと笑いながら、私が行っていなかった間のロケットの出来事を聞いたりして。やっぱりロケットさんは寂しがっているらしく。じゃあまた急いでいかなきゃね、と言って。
彼の体温に、温かさに安心して。いつの間にか、うとうとしてきて。

「センラが迎えに来てくれるから、大丈夫」

そう言った、彼の他人任せな言葉に笑って。背中の温かさに不安の、その重さを預けて眠りについた。