【sm】真夜中、星雲旅行24時【snr】 (ページ15)

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【A様、お召し物を変えられるとのこと、センラ様よりお聞きしました。どれになさいますか？】

急に横のスピーカーから流れたアナウンスに声をあげて驚く。驚きすぎて手をあげたときに壁に手を…強打してしまい、アナウンスの方が少し慌てていた。
声質からしてAI、らしいオペレーターなのに随分人間らしいな、と感心してしまうほど。

【先程は驚かせてしまい、申し訳ございませんでした。お怪我はございませんか？】
「あ、はい。大丈夫です。特に赤くなったりとかはしてませんし」

普通に話せるし。感心しながらスピーカーを見つめて話すと、さっそくとでも言うように目の前にあの宙に浮いてるモニターが出てきて。
収納されているのだろう、服の一覧が表示されている。…多すぎないか、これ。

【お好きなものを選んでいただければこちらでご用意いたします。どれになさいますか？】
「あー、えっと。ちょっと多すぎて、選べないかなあ、って」
【かしこまりました。こちらでA様に一番似合うお召し物を選ばせていただきますね。何かご希望はありますか？】

「動きやすい服装で」、とオーダーすると彼女(彼？)はトータルコーデをリストアップしてくれて。
はあ、凄いなあ。と感心してそれを声に出すと、【恐縮です】と返ってくる声。
ちなみに、この後何度も褒めているが全て【恐縮です】と返ってきて少し面白かった。

【A様、とてもお似合いです。志麻様とセンラ様にもすぐにお見せしたいほどです】
「あはは、ありがとうございます。……そういえば、お名前とか、あるんですか？」

今までずっと話していた声の主。AIだろうけど、最初の今いる星が出来たときのアナウンスと今の状態を見るに長い付き合いになるだろうと思い。
名前を聞いていた方がいいだろうと思って聞いたけど、しばらくの沈黙。あれ、何か私まずいことを言ってしまったんだろうか。

【…いえ、私に名前というものは存在しません。S-0328という機体番号は存在しますが】
「S-0328さん。うーん、呼びにくいかもなあ」

失礼である。後ほど自室で後悔した発言の一つだ。

「…ロケットさん、って呼んでいいですか？そのまんまですけど」
【はい、ご自由にお呼びください。A様の思し召しのままに】

私、どういうネーミングセンスをしているのだろう。
こちらも後々本当にこれでよかったのだろうか、と思う事柄の一つである。