CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅲ【utit】 (ページ32)

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「坂田が声殺してメチャクチャ笑っとったわ」

ケラケラと笑った志麻さん。坂田くんとセンラくんはそのままキッチンへ向かったらしい。なんだかんだ言ってあの二人、お互いに当たりが強いのに仲が良いのである。

「まあすぐ戻ってくるやろうし、ゆっくり座ったらええんやないの」と言う志麻さん。まふくんにゲームのコントローラーを渡してワクワクしているといった様子で。

あぁ、そういえばこの人も割とゲーム好きなんだったな、とふと思い出す。

流れるように始まった彼らのゲーム対戦をソファに座って眺めがらキッチンの方へと視線を移すと、廊下からは賑やかな声が聞こえて。

志麻さんの言う通り、彼らがすぐに戻ってきたみたいで。

「あ。ごめんねセンラくん、荷物いつの間にか持ってってもらってたみたいで…」
「あぁ、全然全然。ええよええよ」
「…ふ、A、マジで気付いてへんかったなぁ…」

んふふ、と思い出し笑いを始めた坂田くん。私自身は覚えてないからいいのだけれど、そこまで面白そうに笑われると気になるし少し恥ずかしくなる。

センラくんまでくすくすと笑っているところを見るに、本当にさりげなく自然に持っていったのだろう。それに私が全く気付かなかったみたいで。

恥ずかしくなって「もう」、とため息をついたところで目の前の彼らがわあっと歓声をあげて。どうやら志麻さんとまふくんの戦いが白熱しているらしく。

あっと言う間に話題はそちらへと移り、先程思い出し笑いをしていた坂田くんでさえまふくんに「そっちちゃう！後ろや！」と後ろから大声で指図している。

「坂田黙ってうるさい！」と遠慮の無くなってきたまふくんはもうすでに坂田くんとすっかり仲良しなようで。見ていてとても微笑ましい光景だ。

「…A、今日の晩ご飯どないする？」
「あー、買ってきたのと…そうだね、一緒に加えて、」

隣に座っていたセンラくんが話しかけてきて、私が返そうとしたその時。一際大きい歓声が上がり、まふくんの「うわーっ！」という声で視線を前に戻す。

どうやら二人の勝負に決着がついたらしく。まふくんは頭を抱えて志麻さんは得意げな顔だ。ということは。

「うえ〜、僕このゲーム志麻さんよりやってると思うんだけどなぁ…」
「っふ、まだまだやなあ」

大人気なく、と言っても彼らがいくつなのかは知らないけれど。やはり志麻さんはまふくんを負かしてしまったらしい。