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「ちょいちょいちょいこれ俺らに集中砲火されとるんとちゃうん！？」
「坂田黙って走り！気ぃ付けな舌噛むぞ！」
例の壁が天井から無数に降ってきた為、俺達は結果として三つのグループに分断されてしまったらしい。先程携帯端末に連絡があったから、全員無事なのは把握しているけれども。
走りながら携帯を見たら、うらさんから『お前らの方に警備員全部行ったみたいだわ！わり』という、ふざけた顔文字付きのメッセージが送られてきた時は怒りでまーしぃと一緒に叫びそうになった。
ともかく、一番心配だったAも無事なようで安心した。あの瞬間、全てがスローモーションのように見えて──センラがAを押して直撃を免れたように見えたけれど、こちら側の壁も直後に落ちてきた為、その無事を目視で確認することが叶わなかったから。
「いや、それにしても容赦無さすぎちゃう！？…っわ危な！？」
思考中に真横を飛び抜けてきた針のようなもの。多分麻酔か何かが入ってる。俺達にそれが効くのかどうかは怪しいところだが──何はともかく、当たらない方がいい。効かないと気付かれて、俺達が何者かを探られるのも面倒だ。
通路が比較的広くて助かる。まーしぃと一緒に並んで走ってもかなり余裕があるくらい。だが、ここで一直線に走り続けるのは非常にまずい。
いくら俺達の身体能力が人間以上だとしても、相手からの攻撃を避けるのには適していない場所だ。真っ直ぐに走ればド下手クソでも銃は当たる。
「…まずいな。別の通路に入るか開けた場所探すか──あ」
丁度、先程のロビーと同じような広さの開けた空間に出る。ここでなら余裕を持って存分に戦えそうだ──と、思ったのも束の間。奥の通路からぞろぞろとまた新しい警備員が現れ、その数は俺たちを追ってきた警備員の倍に膨れ上がったような。
「…俺、無双ゲーでこういうの見た事あるかもしれん」
「数だけ多い、んやったらええんやけどな」
ホールの真ん中までじりじりと歩き、警備員達に前後左右を埋められる。一人一人どれくらいの練度があるのか──いや、取るに足らないものなのだろうけれど。
あまりにも多いその数に、これは骨が折れるなと──いや、ここで片付けてしまえば他のメンバーが助かる筈だからここで全部やってしまうのは正解、なのかも。
大人数は必要ないと判断されて別の場所に行かれても面倒だな、と拳のグローブをはめ直した。
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作者名：#N/A | 作成日時：2022年3月11日 22時
