CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ9)

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「俺にも敬語使わんとって！あと坂田って呼んで！Aって呼んでもええ！？」

…勢いが凄い。
隣に座っているセンラくんが「お前は親愛度上昇イベントとか一切発生してへんやろ！？」と何やらよくわからない事を言っているけれど、それをあまり気にせずに適当に了承した。

その反対していた彼は少し残念そうな顔をしているけれど、「まあAがええって言うんやったら…」と最終的には収まってくれた。いいのか、それで。

ルンルン、と楽しそうな擬音が付きそうな笑顔、言動。以前にも失礼ながらセンラくんに同じことを思ったような気がするけれど、彼は単純だと思う。

それから数日間、毎日三回の腕を食べられる時間以外にも『A！？』『Aおる？』『A～』『Aおった！』『A～！』……と、彼と一緒にいる時間が増えたような。

センラくんは毎度の如くぷりぷりと怒っていたけれど。君は坂田くん以上に私のそばにいることが多いんだからいいじゃない…と思っていたが、それを言うとまた悲しそうな顔をされそうだから黙っていた。

流石に「一緒に寝たあかん？」と枕を持って私の部屋を訪ねてきた時は、センラくんは怒るというより諭すように「それはさすがにヤバい」と彼を帰らせていた。

……出会って早々私の諸々を調べ上げていた君が倫理観を説いていい立場なのかは知らないが。

かと思えば、急に距離感、頻度が離れて落ちることもあって。

「坂田くん、今日一回もあげてないけど大丈夫？」
「ん、ん～、うん。今はええかなって」

テレビに視線を向けながら喋る彼。同じソファに座って彼を見つめた後、ずっとテレビから視線を逸らさない彼の横顔に従ってテレビへと視線を移した。

しばらくの、沈黙。
彼と一緒にいる際はあまり、沈黙がないものだと思っていたけれど。それは坂田くんがたくさん話してくれていたからで、私からはあまり話していなかったのだと実感する。

少しだけ、どうしたらいいかわからなくて、戸惑う。

「…A、ニュースとか見てもさ、出てへんねん」
「……え？」

「…いや、何でもない。風呂入ってくるわ」

眉を下げて、困ったように笑った彼はソファから立ち上がってリビングから出ていき、浴室の方へと歩いて行ってしまった。

…"ニュースに出ていない"って、どういうことなのだろう。