CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ36)

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「…というか、何で今日出掛けようなんて言ったんですか」
「デート」
「…わかりましたから。何でデート行こうなんて言ったんですか」

そう聞くと、彼は少し言い淀むような素振りを見せて。何か変な意味があった訳ではないだろうに、それこそ何か特別な意味があっても彼は照れるような質でもない筈だ。

つい先程も"デート"と強調したばかりだし。

「何でだろ。お礼？」
「お礼ですか？」

私が首をかしげると、彼は少し眉をひそめて。口を一度開きかけて、やめるような動作。眉間に皺が深く刻まれていくことに疑問を感じる。何でそこで機嫌が悪くなるの、あなたが今疑問形で私に話したんじゃないか。聞き返しただけなのに。

すると、彼は大きく溜息を付いて私から目を逸らした。少しだけ「あー」、と口から漏らして。照れているというか、呆れているというか。

「…お礼だよ、血といい坂田の件といい、諸々世話になってるから」
「……あぁ、まあ、当初の想定より色々してますもんね、私」

「何か言い方素直じゃねえな」と口を尖らせる彼。ハッとして謙遜した後に素直にお礼を言ったけど、そういううらたさんこそ一度疑問形で私に問いを投げかけたのだから素直じゃない。

そんな彼がなんだかおかしくて、かわいらしくて思わず笑みが零れる。先程はうらたさんが私のことを笑っていたのに、今度は立場が逆転してしまった。

「何で笑うんだよ！…はあ、まあ、坂田も緊急時にはアレ使えるから安心って喜んでたし。…あと、血も貰ったおかげで俺らの菓子の中毒性かなり抑えられたし」

ピタ、とフォークとナイフを持つ手が止まる。そうか、もう完成していたのか。お菓子自体の解析と、私の血の解析結果を合わせればそれも容易だったのだろう。

少し照れながらお礼を言う彼。可愛らしいな、と思いつつ「いえいえ」と返すと、彼は急に真剣な表情になって。

その変わりように、彼が次に告げる言葉がいい事なのか悪いことなのか、判断がつかなくなって不安に包まれる。

「…お礼を言いたかったのと。それと、アイツらに聞かせると不安がらせるかと思って。悪い知らせもある」

その不安が的中した彼の言葉に私が頷くと、彼は一度手元に視線を落とした後、ゆっくりと口を開いた。