CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ34)

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「…なるほど。動物の方が本能的で敏感だから目ざといのか」
「え？」
「あぁいや、そうだな…A、お前動物に好かれやすいか？」

急に投げかけられた質問。そうだな、と思い返すと。…確かにそうかもしれない、何故か動物に好かれることは多かった気がする。野良の動物も呼べばすぐに近寄ってくるし、動物保護棟に遊びに行った際も色々な子がすぐに心を開いてくれた気がする。

「そう、ですね。結構遊んでくれる子は多いかも…あ、でも──」

思い出したのは、一緒に暮らそうとしていた大切な子のこと。他の動物とは違い、最初は攻撃的で警戒心を剝き出しにしていたあの子。

何度か会いに行くうちに仲良く、それこそべったりになるくらい仲良くなったものの。最初の頃は引っ掻き傷や噛まれたりすることが多かったな、と懐かしく思う。

「最初は心を許してくれない子もいましたよ。白くて赤い目の猫ちゃんなんですけど」
「へえ、アルビノか。珍しいな」
「はい。でも何度か会ううちに仲良くなって、それこそ新しい部屋を借りて一緒に暮らす約束とかもしてたんです」

少しだけ、目を見開いたような彼。私から目を逸らして、小さく「そっか」と呟いた。多分、私を強制的に連れてきたことに負い目を感じている、ような。

今になって私にも生活があったことを申し訳なく思われても、とは思うのだけれど。それこそ、私と彼の間柄が親密になったからこそ、彼に私を思いやる心が芽生えたのだろうが。

でもそれは、彼だけでなく、私も同じなのである。少し悲しそうな顔をしたから、それがいつもの彼のようではなくて寂しくなったから。

「でも、あの日──うらたさん達に会った日より数か月前あたりから仕事が忙しくて、会えてなかったんですよ。それに、さっきの侵入者の話」
「"研究棟じゃない棟に不法侵入したかどうか"の話？」
「はい。それが、その子がいた動物保護棟で」

もしかしたら連れていかれたのかもしれない。だから、今そもそもどこにいるかすらわからない。下手な慰め方だけど、直接「あなたのせいじゃない」と言うと納得しなさそうな彼にはこれがいい気がする。

少しだけ表情が元通りになった気がする彼と、レストランへの道を歩いていると。彼が小さく「ここ」と呟き、顔を上げた。

……そこは、普通なら入る事すら躊躇してしまうほどの、高級そうなレストランだった。