1話 ページ2
教室で
進路希望の調査表の紙をセンセーがばら撒いた瞬間、当たり前のように"個性"を出すモブ共。
阿保らしい。教師ならちゃんと躾けとけ。
「せんせぇ──!"皆"とか一緒にすんじゃねえよ！？」
机の上に組んだ足を組み替えて俺がそう言うと、一瞬静まった空間がまた、煩くなる。
俺が言えたことじゃねえけどな。
「そりゃねーだろ勝己」
「モブがモブらしくウルセエよ」
モブにモブと言って何が悪い。
そこら辺に生えてる雑草と俺を同じにすんじゃねえ。
「あー確か爆豪は…"雄英高校"志望だったな」
チッ、勝手に言うんじゃねぇ糞教師
驚きの声でざわめく教室。
まあそれもその筈だな
俺の受ける雄英高校は偏差値79の国立高校、つまりは優等生(？)である俺に持ってこいの高校だ。
「俺はオールマイトをも超えてトップヒーローとなり！必ず高額納税者ランキングに名を刻む！お前等みたいなクソモブとは違ってなぁ!!」
机の上に立ち大きい声で言う
あぁ、テンション上がってきた
「あ、」
そんな俺のテンションがもっと上がる出来事が直ぐに起きた
「そいやあ緑谷も雄英志望だったな」
「は…？」
思わず声が漏れる。
一斉に声のした方…デクへと視線が向く。
先生今だけは感謝する。ありがとう
「緑谷ぁ！？」
「無理だろ！」
「そっ…そんな規定もうないよ！前列がないだけで…」
「デク!!」
BOOOM!!
掌で爆発音が鳴れば、ビクリと肩を揺らすデク。
そのまま床へドーン。
「没個性どころか、無個性のテメエが？俺と同じ土俵に入ろうってか!?」
「まっ…違う待って、かっちゃん…別に張り合おうとか、そんなの全然！」
俺が1歩進めば1歩下がる。
残念。後ろは壁だ。
「ただ…小さい頃からの目標なんだ…それにその…やってみないとわかんないし」
様子を伺うようにして、俺の方を見る。
皆には怒っているよう見えてると思うが内心とても興奮している。
俺の長い間叶えたかった願いが叶おうとしているのだ興奮しないほうがおかしいだろ！！
やっとやっとだ。ようやくここまで来れた。
ただ表では
「なぁにがやってみないと分からないだ!!記念受験きどりか!?」
こう言っとかねえとな。一応ライバル的位置にいることが必要だからな。
それに俺がこうしていれば他の奴に手を出されないだろうからな。
けどよぉ
クスクスと聞こえる笑い声。
胸糞悪い。モブ共が調子に乗るんじゃねえ。これだけは慣れねえ
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作者名：美忌 | 作成日時：2019年1月13日 20時
