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イルカが輪をくぐり、水しぶきが上がると同時に歓声もヒートアップする。


「すごい!」


連れてきてくれたのは水族館。
小学生ぶりの光景に、正直、心が踊っていた。


「わぁ!」


もう一度、イルカが飛び跳ねると、
拍手が沸き起こる。


ショーも終盤に差し掛かり、
最後のトリプルジャンプを観たときには、
もはや、感動すら覚えていた。



「すごかったですねー!」

興奮気味に、隣に座る彼を見ると、目を丸くしていた。

「あ、引きましたよね…」

子供みたいだと我ながら恥ずかしくなる。

「なわけないやん!」
「気、使わないでください。」
「ほんまに、違うって!
そんなに楽しんでもらえると思ってなかったから嬉しくて。」


「よし!次、行こっか!」

パンフレット片手に立ち上がった彼が
あまりにも無邪気に笑うから、
赤く染まる頬を夏の雲に隠したくなった。





.

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作者名:かな | 作成日時:2017年6月24日 17時

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