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「でも、良かった。Aちゃんが元気そうで。」



彼が、あまりにも自然に私の名前を口にするから、
まるで昔からの友達のような気になってしまい、


「あのさ、今度、気分転換しにどっか行かへん?」

「行きたい…です。」


私は無自覚に彼に心を開いてしまっていた。


__




これは気分転換だと、
何度も自分に言い聞かすけど、心臓がすごい早さで音を立てていた。

それは、渚さんに、“デート”には変わりないとピシャリと言われてしまったせいだ。


いつぶりだろう、と記憶をさかのぼれば、
また頭に廉が浮かんでしまうから、考えるのを止めた。



「ごめん、お待たせ!」


前髪が崩れ、少し息が上がっている彼。


「い…え。大丈夫です。」



素直にかっこいいと思ってしまい、
目を逸らさずにはいられなかった。




.

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作者名:かな | 作成日時:2017年6月24日 17時

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