流れ損ねた星の子【ジョジョの奇妙な冒険】

青臭い春を踏み越えた ページ3

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「晴流乃 くすぐったい」



「 A 暴れないで」



同じ型から取って造られたように Aと僕の造形は、どこをとっても よく似ていた。顔立ちは勿論のこと 耳や足形なんかも。

異なる部分を探す方が 手っ取り早いだろう。

例えば 僕の瞳とは異なり兎のように赤い瞳。それから、左耳に３つ並んだ黒子。

僕とAは、互いの身体が目紛しい成長の段階にいて、いつしか違う姿形になるのを理解していたが 非常に受け入れがたく、恐ろしかった。

だから、同じ部分を確認し合っては安堵する日々を繰り返していた 筈だったのに。

何時からだったか、僕はAの自分と異なる部分に強く惹かれるようになっていた。

細い首だとか 華奢な腕 丸い胸に 柔らかな曲線を描く白い脚。そういった自分とは異なる部分に。



狭い浴槽に膝立ちをして 向かい合ってAの胸に手を伸ばした あの日。僕らは きっと見えない境界線のようなモノをあらぬ方へ踏み越えてしまったのだ。

僕らの関係性 それは 後ろめたい青春の副産物。

他の誰にだって踏み込めはしない 僕とAだけの安息の領域。



「ジョルノ 擽ぐったいわ 」



「逃げないで A」




青臭い春を踏み越えた



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