娼婦の美徳【ジョジョの奇妙な冒険】

口は禍の元* (露伴) ページ20

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岸辺露伴



新学期が始まってまだ1日、そうそうにスカートを没収された。おかげでジャージのズボンにローファーという屈辱的な格好で徒歩20分の通学路を歩かされる羽目になった。自業自得だけど。

「これで２つ！２つですッ！」
いくら頭髪や服装に関して寛容なぶどうヶ丘高校でも、他校のスカートと繋ぎ合わせて作られた、裾がアシンメトリーになっている奇抜なデザインは前回のタイトミニ同様、通用しなかった。

「好きな服を着ることすら許されない！」

「学生なんてソンです！辞めちゃいたい！」

怒りに任せて思ってもない事を口走ってしまった。

確かにソンだと思う、それにサボりがち。けど学校は楽しい。気の合う友達だって居るし。

「そうか、いっそ辞めちまえばいい。好都合だ！」

露伴先生の家に来て15分、玄関で寝転がって文句を垂れる私を黙って覗き込んでいた先生がおもむろに立ち上がったかと思えば、嬉々とした表情でまたワケのわからない事を言いだした。

「えっと、どうしました？」

しらを切ってみたけど、実のところ私は焦りまくりだ。この岸辺露伴という男とはそう長い付き合いではないが、私の事をプレミアのついたフィギュアかなんかだと思っていて、人から遠ざけて大事に大事にしまい込んで置きたいという、理解しがたいヘンな性質を持っている。すっかり忘れていた。私は感情の昂りから彼が喉から手が出るほど欲しかった言葉を口にしてしまったワケだ。

「君はただ好きな服を着て、僕の相手をしてれば良いんだ、」

「え？冗談ですよ、ね」

冗談なんかじゃない、けどそうあって欲しいと思った。私を抱き起こした先生は何も言わない、ただ何時もの様に私の輪郭を掌で何度も撫でるだけ。



口は禍(わざわい)の元

(冬休みがどの位だったか、数年前の事なのに全く記憶にない )

. うめまるさんリクエストありがとうございました！

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