LOSE MEMORY2 (ページ3)

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『実は俺、昔の記憶がないんだ』

「へ……」

思わず驚きを隠せなかった。

龍也は自分に過去の記憶がないことを知ってたんだ……

それならもしかして、

『だから昔どんな人と暮らしてきたかもどんな生活をしていたかも知らないんだ。でもね、中村さんといるとなんだか安心するというか昔を思い出すような感覚になるというか……』

「ほんと……？」

『うん、』

わたしはあなたの彼女だってこの際言ってしまおうか。

龍也はわたしのことを少なくとも特別な存在だと思ってくれているんだ。

こんなに嬉しいことないよ……

「先生……っ、実は」

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

わたしがそう言いかけた瞬間、邪魔をするように
ドアが開いた。

『高橋先生…？』

高橋「七五三掛先生！こんなとこで何してるんですか……」

「あ、違うんです、！」

高橋「Aさんは何度言ったらわかるの？あんな噂に頼るなんて……そんな無謀なことはやめなさい」

なぜか何も言い返すことが出来なくて資料室の外に追い出されてしまった。