LOSE MEMORY2 (ページ1)

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あのあとみんなが帰ってきてしまって、せっかくいいムードになっていたクリスマスパーティーは何事もなく終了した。

冬休みが明けて三学期が始まるとまた同じような日々が続いていった。

海里「あーもー学校だるいー」

「って言いながら欠席ゼロなのすごいと思う」

海里「だってわたし皆勤賞狙ってるし」

気だるそうに伸びをしながらそう言うと、海里のポケットから何かが床に落ちた。

「なにこれ……」

海里「あ、ちょっと、！」

それは海里が持ちそうにないオシャレなリップだった。

海里はいつもめったにメイクしないし、する時はプチプラで済ますしとオシャレとか興味なさそうだったのに……

「あ、海斗にもらったんでしょ？」

海里「……なんでわかるのよ！」

嘘をつけない性格の海里は顔を真っ赤にしてすぐにそれをポケット戻した。

「へー海斗もオシャレなことするんだね」

海里「もう！なんでもいいじゃん！」

恥ずかしそうに俯くからかわいいな、なんて思ってしまう笑

海里もちゃんとした女の子なんだなぁ

『中村さんと松田さん、今手空いてる？』

2人でワイワイしているといきなり後ろから龍也が話しかけてきて思わずビクッとしてしまった。

「はい、」

『じゃ、ちょっと来てくれない？』

なんだろう、と頭にハテナを浮かべながら龍也についていくと、だいぶ古びた教室にたどり着いた。

薄れた字で"資料室"と書かれていて、龍也はガタガタとうるさく音が鳴るドアを開けた。

「わぁ、すごい……」

棚にはたくさんの本が並んであって、大きなテーブルの上にはプリントが散乱していた。

それになんだかくしゃみが出そうなくらいホコリっぽい。

なんでこんなに汚いんだろ……

『この前たまたまこの教室を見つけて、よく考えれば入ったことないなと思って覗いてみたらこのザマで。さすがにこれはダメでしょって思ってさ』

海里「掃除しろと？」

『そういうこと』

わたしたちで掃除するの！？

そういうのって生徒会とかがするのかと思ってた……

海里「生徒に任せるなんてダメ教師！」

『だって手空いてるって言ったじゃん！しかも俺だって一緒にするからね？』

なんて子供みたいな喧嘩をするからついおもしろくて笑っちゃう。

それから憂鬱な気持ちは吹き飛んで、3人で協力して掃除をした。