LOSE MEMORY

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七五三掛side





文化祭は終わり、学校も行事がなくなって落ち着いてきた。



そのおかげで最近は連休が多くて久しぶりに家族とのんびり家で過ごすことができた。





母「見て！この龍也かわいいよ！」




今はみんなで昔のアルバムを見返しているところ。



小さい頃の写真はほんとに有り余るほどにあって大事にされてきたんだなと思う。





でも少し不思議なことがあった。





『なんで中高生の時の写真が全然ないの？』




小学生まではたくさん写真があるのに中学生になった途端急に写真の数が減っているんだ。






母「…どっかいっちゃったのかしら、？」



父「そういや龍也あんま写真撮らせてくれなかったんじゃなかったっけ、？」



母「あ、そうだったわね、！反抗期真っ只中だったから…笑」





『そんなに酷かったんだ笑』






俺はある日突然病気で記憶を失った。



今は忘れることはないけど、過去の記憶が全くと言っていいほどない。





だから昔仲良くしていた友達なんてわからないし、お世話になった人も知らない。





だけどこうやってアルバムを見返していると何か思い出せるような気がするんだ。





『……もう一生思い出せないのかな』



母「……過去のことは振り返らない方が楽しいわよ」



『そうかな』






周りの人はみんな過去を振り返るなと言う。



だけど俺は過去が知りたい。




もっと正確に確実な過去を知りたいんだ。




どんな人とどんな人生を歩んできたのか……





だけどその手がかりとなるアルバムが不足していては思い出すことは不可能なんだ。




いったいどこにいったんだろ……

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