空色の瓶、 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:2,625 hit

四日目ページ5

???side

『貴方は以前、ベイクドチーズケーキが好きと言っていましたね。まだはっきりと、覚えています。あの鮮明な声、明るい笑顔、好きな物の話をしていた時の眩しい瞳。……そんなこと、どうでも良いんです。今は、貴方の力が必要です。どうか、お願いします。私達に力をお貸しください。一先ずは、私達のシェアハウスに来てください。そこでお話します。

それでは、また。』

紙にそう綴って、マスクを付け、外に出る。今日は風が強いな……そう思いながら、郵便局へ向かう。少し足を止めて、休憩する。私の家から、郵便局へは少し遠いので、こうやって休憩を取るのは当たり前だった。目を瞑れば、あの子と過ごした日々が目に見える。秘密基地を作って遊んだ。自転車で近所を走り回った。服を着たまま皮に飛び込んだ。そして、お母さんに怒られたよね。ふふふ、今思い返すととても面白いな。……もう、戻れないのかな、子供には。子供の頃は、早く大人になりたい、って思ってた。でも、今は子供の頃に戻りたいって思ってる。あの、大はしゃぎ出来たあの頃に。いっぱい遊んで、いっぱい怒られた、あの頃に。……あ、郵便局に行くんだ。いつもここで休憩していると、本来の目的をつい、忘れてしまう。

少し歩いて、郵便局に着くと、願いを込めて郵便ポストに手紙を入れた。この思いが、あの子に届きますように。また、皆で笑い合える日が来ますように。

.

五日目→←三日目