D , 24 ページ27
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何週間かが経って、ようやく退院できることになった私は、お母さんと悠人先生と優に助けて貰い、無事寮に帰ることが出来た。
久しぶりに見た寮が、本当に懐かしく感じる。なんだが少し感慨深くて、涙が出そうになった。
門を開けて中に入り、ドアを開けて玄関に入る。
いつものように、けれど恐る恐るリビングのドアを開けると、パーン！と盛大な破裂音がした。
「っ……へ？」
「もー！もっと驚いてよ！！A！」
恐る恐る部屋の中に入って見渡せば、そこには満面の笑みや涙を浮かべたみんなが、全員が、クラッカーを持って私を迎えていた。
破裂音の正体は、クラッカーだったのか。どこか既視感のある光景、そうだ、これは──。
「も〜。みんな、行くよ？せーのっ」
「「「A、おかえり〜〜〜！！」」」
気を取り直した店長の掛け声と共に、全員がおかえり〜！っと大声で叫んだ。学生の大声がたくさん響けば煩いのは当然、でもそれが不思議ととっても心地よかった。
「うぅ………みんな……」
「わ、A、泣かないでよ〜…」
「真冬の方が泣いてるでしょ……」
涙が止まらなくなって、頬からぽたぽたと勢いよく滑り落ちる。真冬がいち早く気づいて慰めてくれたけれど、それが余計に涙腺を刺激して、さらに泣かずにはいられなかった。
「ふふ、Aったら泣くほど感動した？」
「だっでぇ〜〜………ぐすん、初めの時なんか……みんな歓迎なんてほとんどしてくれなかったのに……」
光くんがからかうように笑った声に泣きながら反論すれば、気まずそうに何人かがそっぽを向いた。それが面白くて、泣いているくせに笑いが溢れた。
「ま、そこら辺はよ〜く反省するんやで！」
「そうだそうだー！！A、ハグ！」
そんな何人かに向かって、アッカンベー！と勢いよくくろちゃんが舌を出し、有葉先輩が煽りつつ私に両腕を広げて突進してきた。
まだ筋肉もろくに戻っていない私は、当然支えられるわけがなく後ろに倒れてしまいそうになる。
「わわわっ」
「……ほら、危ないでしょ。はしゃぎすぎ、みんな」
「そういう琉衣だってニヤけてるし！」
支えてくれた琉衣さんは、くろちゃんと有葉先輩の頭を順番ずつ軽く叩いたあと、私の大好きな温もりと匂いで包んでくれた。くろちゃんが琉衣さんの言葉に言い返して、みんなが笑う。
ああ、幸せだ、本当に、幸せだ。
ずっと幸せを演じてきた私は、やっと、本当の幸せがわかったような気がした。
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紫音 - 作者さん！頑張って下さい！応援しています。 (2020年4月21日 3時) (
レス) id: f284f93940 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一気に呼んじゃいました…！！続編楽しみにしてまってます！！ (2019年8月5日 0時) (レス) id: 7dea81a844 (このIDを非表示/違反報告)
舶(ﾊｸ)(プロフ) - とても引き込まれる内容で一気読みしてしまいました。お気に入り失礼します。更新待っています！ (2019年2月27日 14時) (レス) id: 7017cc79b6 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 続編おめでとうございます！関係ないですがTwitterの方のラブレターで切腹と机拭きのやつ私です← (2018年12月20日 16時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
游 - ずっと、ずっと前から、応援してました...！更新されてるのに気付いて、ついさっき駆けつけました！本当に、更新してくれてありがとうございます！これからも、頑張ってください！ (2018年12月17日 20時) (レス) id: cb81d0bb92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わっふるくりーむ | 作成日時：2018年11月17日 22時
