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(真冬side)
叩かれた、と気づいたのは、翔太くんがもう一度僕の頬を打った時だった。頬を抑えることすら出来ずに、翔太くんを見つめる。
「……そりゃ俺だって初めは疑ったよ。でも、そんなことする余裕なんてAには無いように見えたし…ううん、それよりも、Aがそんなことするはずないって、思ったからだ」
そういった翔太くんに、自分の中の何かが千切れた。
「なんで!?なんでそんなに強く信じられるの!!僕だって最初は信じようと思ったけど……無理だった!!なんで!!?なんで翔太くんはそんなに強いんだよ!!」
「…真冬くん…」
どこかで似たようなことを言ったことがあるような気がする言葉を、叩きつける。涙が溢れて止まらない。嗚咽混じりに叫べば、翔太くんは苦しそうに顔を顰めた。
「俺は信じられなかった……だからAはあんなことになったんでしょ?……だったら、やっぱり俺に生きてる価値なんて……」
「ふざけんな…」
「…え?」
「……ふざけんなって!!言ってんだよ!!」
翔太くんが、俺を思いっきり床に押し倒す。そのまま上に馬乗りになって、喉元の服をガッと掴まれた。……何時ぞやの真夜中とは真逆だ。
「…そんなこと!そんなことしてAが喜ぶと思うか!?せめて直接目と目合わせて謝ってからにしろよ!!なあ!!…なあ、真冬くん……頼むよ……」
「しょ、翔太くん……?」
ぼろぼろと大粒の雨が顔面に降ってくる。翔太くんが泣きながら苦しそうに言うから、胸が締め付けられて僕も苦しい。
「俺だって、ほんとは強くないんだよ。……何回も吐いたし泣いたよ。夜も寝られなくなったよ……つよいふりを、しているんだよ……Aのこと助けてあげられなかった、見て見ぬふりをしたのは俺も一緒なんだよ……」
その言葉についに涙が止まらなくなって、二人で抱き合って泣いた。子供みたいに、わんわん泣いた。
──
わたしの書く登場人物が比較的みんな弱いのは、人間がみんな本当は弱い生き物じゃないかと思っているからです。
悪意をぶつけられて幸せな気持ちになる人はいますか?いないと思います。でも、悪意をぶつけなきゃいけない時はどうしても出てくるもんだとも思います。
わたしもこんな物書きながら、悪意をぶつけてしまう時がありますしね。難しいです。なんでこんなテーマにした?
ところで深夜にこんな話書いて涙止まりません。エマージェンシーエマージェンシー。
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紫音 - 作者さん!頑張って下さい!応援しています。 (2020年4月21日 3時) (レス) id: f284f93940 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一気に呼んじゃいました…!!続編楽しみにしてまってます!! (2019年8月5日 0時) (レス) id: 7dea81a844 (このIDを非表示/違反報告)
舶(ハク)(プロフ) - とても引き込まれる内容で一気読みしてしまいました。お気に入り失礼します。更新待っています! (2019年2月27日 14時) (レス) id: 7017cc79b6 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 続編おめでとうございます!関係ないですがTwitterの方のラブレターで切腹と机拭きのやつ私です← (2018年12月20日 16時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
游 - ずっと、ずっと前から、応援してました...!更新されてるのに気付いて、ついさっき駆けつけました!本当に、更新してくれてありがとうございます!これからも、頑張ってください! (2018年12月17日 20時) (レス) id: cb81d0bb92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わっふるくりーむ | 作成日時:2018年11月17日 22時