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R , 5 ページ7

(光side)


彼女が、Aが倒れたと聞いた。
その原因の一つに、以前俺に告白をしてきたあの長谷葵や、真冬が入っていると翔太すんに聞いて目の前が真っ暗になった。



そうして慌ててやってきた病院で見たのは、ぼんやりと空を見つめるAの姿だった。声をかけても目の前で手を振っても何をしても反応を返さないそうだ。思わず泣きそうになった。



「もしかしなくても…俺のせい?」

そう考えると胸が苦しくて。そうじゃないと否定して欲しくても、声をかけても、その本人はまるで人形のようだ。




「光のせいじゃないから、そんな暗い顔すんな。」

Aに暗い顔は見せられないでしょ、と琉依さんが俺の肩を軽く叩いた。


……なあ、早く元の生意気なお前に戻ってや、A。




(爽太side)


全員をリビングに集めた琉依さんは、彼女が倒れたと小さな声で言った。それを聞いて、翔太くんと司さん以外は固まった。

ただ、真冬くんは小さく舌打ちをしたあと、すごく悲しそうな焦ったような顔をして部屋を出ていこうとした。

「真冬。まだ話は終わってないから」
「…」

バツが悪そうな顔をして下唇を噛む彼は、どこかへすぐ消えてしまいそうだった。

……そんなことよりも、Aの容態が知りたいと琉依さんの方を見れば、伝わったのかまた話し始めた。

「今は総合病院に入院してる。今回の容態は尋常じゃないよ。…見たらわかるけど、まるで人形みたいだから」


初めは意味がわからなかった。琉依さんが話している内容が。それが徐々に自分の中に飲み込まれていくと同時に、自分の体ががたがた震えるのがわかった。


「え、なにそれ…冗談です、よね…?」
「残念ながら本当なんだよ、真冬くん」

俺以上に震えた声に真冬くんは、今にも翔太くんに掴みかかりそうな雰囲気すら醸し出していた。

君がいないだけでこんなに変わるんだね、このシェアハウスは。早く帰ってきてよ、何してんの。俺に啖呵切った癖簡単に壊れてないでよ。ばか。

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紫音 - 作者さん!頑張って下さい!応援しています。 (2020年4月21日 3時) (レス) id: f284f93940 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一気に呼んじゃいました…!!続編楽しみにしてまってます!! (2019年8月5日 0時) (レス) id: 7dea81a844 (このIDを非表示/違反報告)
舶(ハク)(プロフ) - とても引き込まれる内容で一気読みしてしまいました。お気に入り失礼します。更新待っています! (2019年2月27日 14時) (レス) id: 7017cc79b6 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 続編おめでとうございます!関係ないですがTwitterの方のラブレターで切腹と机拭きのやつ私です← (2018年12月20日 16時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
- ずっと、ずっと前から、応援してました...!更新されてるのに気付いて、ついさっき駆けつけました!本当に、更新してくれてありがとうございます!これからも、頑張ってください! (2018年12月17日 20時) (レス) id: cb81d0bb92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わっふるくりーむ | 作成日時:2018年11月17日 22時

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