自由へ道連れ【Fujii.R HBD】 (ページ8)

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なんで。

学校に行く時は晴れていたのに、4時間目になって急に土砂降りになってきて。

今、藤井くんは私が買った焼きそばパンを美味しそうに頬張っている。

「…なんで雨降るって思ったの」
「んあ？何となく」

何回か聞いている。

毎回何となくではぐらかされるけど。

「傘、持ってきてないなぁ……」

しばらく止みそうにない雨が伝う教室の窓を見ながら、ぽつりとそう呟いた。

私の独り言を聞いて、
焼きそばパンを頬張りながら横目でこちらを見ている藤井くんには気づかず、お弁当を食べた。

結局、放課後になっても雨は降り続けて、正門までの道の所々に水たまりを作っている。

生憎、普段から折り畳み傘を持ち歩くマメさは持ち合わせていない。

夏服だから、カーディガンとか頭にかぶれるようなものは勿論持ってきてない。

玄関口まで行くと、マメな折り畳み傘を持ってきてるタイプの人、私の仲間だと思われる、ダッシュで帰る人がいた。

…しょうがないよね、だって天気予報は晴れだったから。

そう心の中で呟いて、土砂降りの中を傘もささずに走り出した。

走り出して数秒で、一気に後悔が襲ってくるほどの雨の量で。

通り道にあるコンビニで傘を買おうと思ったけど、急な雨で全て売り切れてしまったらしい。

困った、と思いながら学校の最寄り駅に向かい、電車に乗ろうと思ったが、何分びしょ濡れ。

どうしようかと思っていたら、上から「何しとるん？」

と声がした。