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「じゃあね」
重岡くんとは、花火大会が終わったら解散。
藤井くんとも解散かと思ったのだが、「こんな時間に1人にさせたら親に心配かけるやろ」
と言って聞かなかったので、送って貰うことにした。
「明日、河川敷近くの公園で待ってるから」
「わかった」
たわいもない会話の途中、ふと藤井くんがそんなことを言った。
その横顔は、どこか覚悟が滲んでるように見えた。
藤井くんは、何をしようとしてるのか。
正直わからない。
「あ、私の家ここ」
「知っとる。1回家の前まで来たし」
「あ、そっか」
「…」
「…」
お互い何も言わない。
「藤井くん?…じゃあね?ありがとう」
「ちゃうやん」
「えっ?」
「こんな時間まで連れ回したんだからちゃんとお母さんに挨拶しとかんと」
「えっ、いいよ」
「俺がしたくてしとる事やから」
と言うと、勝手にうちのインターホンを押してしまった。
「えっ、ちょっと」
『はーい、どなた?』
「AAさんと同じクラスで友人の藤井流星です。遅くまで連れ回してしまったので送りに来ました」
『あらあら、丁寧にありがとう、今開けますからね〜』
お母さん…
その後は、イケメンの藤井くんに母のテンションは爆上がり。
乙女の顔になって藤井くんと話していた。
とても藤井くんが気に入ったらしく、私に「彼氏になったら紹介してね!」
と言ってきた。
心の中で、マダムキラーだ…と呟いた。
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作者名:とらい | 作成日時:2019年8月1日 21時