結 ページ13
藤井くんは青系の浴衣を着せたがる。
私に寒色系は似合わないと思ってるから、ついつい拒否してしまうのだが、その度に
「着てみなわからんやろ」
と頬を膨らませる。
自分で何が似合うかさっぱりわからないし、藤井くんはずっと同じ浴衣を勧めてくる。
「重岡くんにも聞いてみよっかな」
「え?なんで」
「…だって明日、重岡くんも行くんでしょ?せめて意見くらい聞いておかないと」
「…好きなん?重岡のこと」
「…え?」
「俺と居るのに重岡の話しするし…」
「いや全くそんなことないけど」
「あ、そうなん。そこまでハッキリ否定するん?」
「まぁ…ってそれはいいとして!藤井くんが選んだ浴衣そのまま着ていったら何だか付き合ってるみたいじゃん」
と私が言うと、藤井くんがそっぽを向いて何かを言ったが、聞こえなかった。
「ん?なんか言った?」
「…なんでもあらへん」
「そっか。じゃあ重岡くんに電話するよー」
--
「…別に付き合えばええやん」
--
『もしもしー?』
「あ、もしもし重岡くん?今藤井くんと2人で浴衣選びに来てるんだけど」
『は!?流星と2人で!?なんで!?』
「えっ?重岡くんも誘ったって藤井くんが」
『俺全く誘われてへんぞ!!』
「えっ!?」
『ちょ、今から行くわ、場所教えて』
と言われ、場所を教えたら『急いで行くから!!』と電話が切れた。
「…藤井くん?」
「んぁ?」
「重岡くん、誘ってなかったの?」
「…ごめん、忘れとったわ」
「なんで!?信じられない…」
「ごめんて!タピオカ奢るから」
「太るから飲みたくない」
「そか…」
「パインジュース奢って」
「分かった」
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作者名:とらい | 作成日時:2019年8月1日 21時