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昔よく遊んだ街にいる。
自分の手を見てみる。
小さい。
どうやら、夢を見ているらしい。
一緒に遊んでいるのは、もう名前も覚えてない男の子。
日が沈む。
そろそろ帰る時間のようだ。
一緒に帰っていると、男の子は急に立ち止まってこう言った。
「なぁ、Aちゃんは僕のこと忘れんでいてくれる？」
どういう意味？
「忘れるわけないじゃん！明日も遊ぼうね！」
と言うと、男の子は寂しそうに笑った。
顔もぼんやりとしていて、はっきりとは見えない。
「バイバイ」
そう言うと、男の子は空高く飛んで行った。
よくある夢の話、だと思う。
「…っ」
目が覚めた。
時計を見る。
「…7時、か」
準備をしなければ。
「人が空飛ぶわけないじゃん」
時は4月、新学期。
高校2年生になった私は、今絶望の淵に立たされていた。
「なんで知ってる子が一人もいないの……」
そこそこ友だちは作ってきたつもりだった。
なのに、文理選択やらクラス編成やらであえなく全員ばらばら。
「悲しいね〜」とか「A、社交的な方だから友達できるよ！うん！」とか、軽く耳にたこが出来るほど聞いたことがある励ましの言葉をかけられる。
私は帰宅部なので、部活関係での友だちはいない。
あるあるなのかもしれないけど、辛い。
教室に入ると、出席番号順に席が決められていて、もう既にグループが出来てる子もちらほら。
馴染めるか不安に思いながらも席に着いたら、隣の人から話しかけられた。
「なぁ、宇宙人って信じる？」
「はぁ？」
これが、私と藤井流星の出会いだ。
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作者名：とらい | 作成日時：2019年8月1日 21時
