犬猫?猫犬? Shinichi.N ページ5
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慎一「だから、ここのXはこっちに移行させて因数分解するんだよ」
A「ああああ先輩ギブです。ギブ。
アイス食べましょう!」
慎一「もうギブかよ。諦めが早いんだよなあAは。
あ、おれバニラ」
諦めが早いとか軽く愚痴った癖に。
バニラアイスを要求して手を出してくるから先輩が苦手なミントを渡した。
慎一「おれがミントダメなの知ってんだろ」
A「え〜初めて聞いたなあ♡」
慎一「……帰る」
A「待って待って待って、バニラあるから」
先輩の手からミントアイスを奪ってバニラにかえる。
そんなあたしを見てご満悦の先輩。
慎一「Aってさー、ほんと犬猫だよな」
A「犬猫?どういうことですか」
慎一「飼い主に抵抗しようとするのに抵抗しきれなくて結局飼い主に従順になっちゃうから犬猫。」
A「か、飼い主って先輩ですか?」
慎一「あ、でもそれじゃ猫犬か。」
いやどっちでもいいんですけど。
ジト目で先輩を見ると先輩はなに?って。
A「あたしは先輩に飼われた覚えはないです〜!」
慎一「おれだって飼ってるつもりはないよ。
ただ、野良猫なのになつきすぎちゃったから」
先輩の指があたしの髪をスーッと通っていく。
そのまま先輩の腕は腰に回ってあたしとの距離がぐっと縮まる。
A「先輩あの、近いです」
慎一「野良猫はなつきすぎると犬になるのかな」
目も合わせられなくて、ひたすら俯いていると頭が固い平面に触れたのが分かった。
目の前には相変わらず先輩がいて。
A「あの、せんぱっ、」
床ドンだ、って気づいたのは先輩の髪が下に垂れ下がっているのを見た時。
慌てて目をつぶって来るであろう感覚に構えているとハハハって声が聞こえた。
慎一「野良猫さん、簡単に気を許しすぎですよ」
これじゃ野良にはなれねえなって先輩は笑った。
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慎一くんっぽくない(震)
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作者名:Ni | 作成日時:2016年7月19日 23時