broken my ...【紅】【※】 ページ10
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「どこ行く？」
手に汗が滲んでいるのは、緊張と興奮と困惑からだろうか。
それとも、Aの熱がこもっているからだろうか。
「んー、どこ行こうかな」
見慣れた街並みも、Aがいるだけでずっと華やかに見えた。
その声も微笑みも精悍な顔も全てが愛おしかった。
最後にこんな感情を抱いたのはいつだったっけ。
「まあ、適当にブラブラしててもいいんだけどな」
「……バカ、デートの意味ないでしょ」
それもそうか、と自然に零れる言葉に釣られて陽気な笑いも飛び出る。
Aも合せて楽しそうに声を上げていた。
何気ない大したことのない会話ですら、全てが小さな思い出になる。
ギザっぽいって言われるかもしれないけど、
俺にとってはそれが一番の幸せなんだ――
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ぎこちない動きで触れた手と手を絡み合わせるのが、とても好きだった。
その時、大体真司は目を下に逸らして下唇を噛んでいる。
「どこ行く？」
声色はどこか不安定で、それでも腹の底に響く心地よいものだった。
「んー、どこ行こうかな」
彼を焦らすのは、正直とても愉快なものだった。
合間に見せてくる多彩な表情が全部可愛らしくて、愛おしかった。
そう思える人に出会えたのはこれが初めてだと思う。
「まあ、適当にブラブラしててもいいんだけどな」
「……バカ、デートの意味ないでしょ」
わざと貶すような発言をしてからかっても、単純な真司の顔はいつもほころぶ。
それに釣られて私も思わず情をゆるめてしまう。
この僅かな時間でさえも、本当に楽しくて仕方がなかった。
大袈裟って言われるかもしれないけど、
私にとってはそれが最高の幸せで――
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随分時間が経っていた。
カウンターに伏せていた顔を上げようとして、体が重いことに気が付く。
ああ、夢だったんだ。
どうりで変だと思った。
もう今はすっかり冬で、外を出歩く気力すら湧かない寒さになっているから。
昨日は丁度珍しく雪が降っていて、頭の中に強く印象が残っている。
それに、最近の真司はずっと"あんな調子"だ。
私自身も明るい気分ではないから、「楽しくお喋り」なんて到底無理だった。
付き合っていた訳でもないのに……。
頬がやけに生暖かくて、反射的に拭ってしまった。
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「broken my ...」 '17 11.26(執筆)
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あめ。 - 言葉遣いがとても好きです！更新止まってますが楽しみにしてます。 (2018年3月25日 2時) (
レス) id: f3914f5645 (このIDを非表示/違反報告)
。わふわふ←(プロフ) - カリンさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます…！( ；A；) (2017年10月22日 20時) (レス) id: 86de2b45b0 (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 私も龍騎大好きです！更新頑張ってください！！ (2017年10月22日 15時) (レス) id: 97bd3a2bc5 (このIDを非表示/違反報告)
。わふわふ←(プロフ) - Ｓさん» ありがとうございます…！頑張らせていただきます( ;∀;) (2017年10月21日 17時) (レス) id: 86de2b45b0 (このIDを非表示/違反報告)
Ｓ - 龍騎好きだから嬉しいです！更新頑張ってくださいヽ(´∀｀咲)ノ (2017年10月21日 16時) (レス) id: d45008529a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。わふわふ← | 作成日時：2017年9月18日 20時
