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気が付いたら、私は浅倉の肩に飛びついていた。

それはもう、自分でも気持ち悪いと思うぐらいだったと思う。

その勢いに身を任せて、無我夢中で唇を奪った。


一度流れ込んできた"感情"はほとぼりが冷めることなく健在している。

何度も離して、くっつけて、離して、くっつける。


その間、浅倉はやけに大人しくしていて、それでも吐息だけははっきりとしていた。

息が自分の口にかかってきて、それもまた自分を刺激させる。




さすがに疲れたので、一旦休める。

それでもまだ、興奮は止まない。




ふと浅倉は、顔をくしゃっとさせた。

無邪気でも嫌味でもない、甘美の混ざった微笑だった。

今までにないくらい満足そうな顔。


それからまたゆっくりと口を開いた。



「お前がいると退屈しない。ここにいろ」



さっきは訳を聞かれて、今度は頼まれた。

相変わらず浅倉の言葉には脈絡がない。



でもその言葉で、やっとここにいる理由ができたことに気付けた。



今の感覚がものすごく癖になる。

唇の柔らかさ、呼吸の深さ、肌の温度、温もり、

そして、言葉の意味。その人の存在。その人の笑み。

感情が壊れた時の、言い表せられない"頭の中"。



……確かにここまで揃うと、嫌でも退屈ではない。




2人の間で同じような結論が出たからか、互いに肩の力が抜けていく。


そして今度は、浅倉の方から悠々と唇を重ねてきた。



落ち着きかけていた"理性"がまたふつふつと湧き始める。

肩の力は抜けても、抱きしめる腕と指は徐々に絡み合っていく。




横目で見ると、トカゲはすでに焦げていた。



- - -




浅倉の肩書も自分の身の上も、もう関係なかった。

その時間だけは、すべてを忘れることが出来る。



退屈もせずイライラもせず楽しめて、満足できる。


浅倉と私が"ここにいてもいい"理由になる。



それだけで良かった。

私は、『浅倉威』という存在に溺れて行った。




- - -



「理性と理由」 '17 10.10

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設定タグ:特撮 , 仮面ライダー龍騎 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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あめ。 - 言葉遣いがとても好きです!更新止まってますが楽しみにしてます。 (2018年3月25日 2時) (レス) id: f3914f5645 (このIDを非表示/違反報告)
。わふわふ←(プロフ) - カリンさん» ありがとうございます!頑張らせていただきます…!( ;A;) (2017年10月22日 20時) (レス) id: 86de2b45b0 (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 私も龍騎大好きです!更新頑張ってください!! (2017年10月22日 15時) (レス) id: 97bd3a2bc5 (このIDを非表示/違反報告)
。わふわふ←(プロフ) - Sさん» ありがとうございます…!頑張らせていただきます( ;∀;) (2017年10月21日 17時) (レス) id: 86de2b45b0 (このIDを非表示/違反報告)
- 龍騎好きだから嬉しいです!更新頑張ってくださいヽ(´∀`咲)ノ (2017年10月21日 16時) (レス) id: d45008529a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:。わふわふ← | 作成日時:2017年9月18日 20時

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