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理性と理由【紫】【※】 ページ4

※中編※

- - -



あの『浅倉威』が街中にいたらきっと大混乱になる。

何をしでかすかわからないし。

だから、身体ごと誰もいないところに隠すしかなかった。



私が選んだのは、普段誰も立ち入らないであろう"森"の中。

その森にある小さなスペースで、とりあえず場をしのぐことにしたのだ。



「ほら、トカゲ」



今日の収穫物を手渡せば、浅倉はすぐに慣れた手つきで串を差し、焚火に近づける。

すでに息絶えたその爬虫類は、じきに焦げ目がつき程よい匂いを出してくれるだろう。

なので串をそのままにして、いつも座っている丸太に寄りかかる。


火の微かな音は、気分を落ち着かせてくれた。



「お前、なぜここにいるんだ」


「さあ、なんでだろ」



このやり取りも何十回目だろうか。

焚火をするたびに同じセリフを吐いては、すぐに背を向ける浅倉。

そしてそれをずっと見つめている私。



- - -



そういや、退屈だとイライラするんじゃなかったっけ、こいつは。

ライダーバトルなんてものを仕掛けに行くぐらいには暇を持て余してるし。


私自身も、正直この生活には飽きてきている。

食料を探して共有して、たまに目を見計らって出掛ける程度。



そんなことを考えていたら、思わずため息が出そうになった

が、いきなり浅倉が動き出したので喉にため息がつっかかった。

珍しくこちらを黙って見つめてきている。


そしてゆっくりと、口を開いた。



「俺を楽しませろ」



あまりにも突然のことで戦慄する。私に対して言ってる?



「……早くしろ」



言葉に脈絡が全くないので不思議、更に理解が出来ない。

けど、とにかく何かしないときっと三言目には「イライラする」とか言い出すのだろう。

適当に何か喋らなければと少し悩んでいたら、ふいに浅倉の身体が目に入った。





服がはだけて、肌が露出している。

肌からは汗が滴り落ちている。

髪の毛は乱れ、瞳は若干鋭くなっている。



そして舌を出して、唇の厚を舐めている。

その動きは蛇のように遅かった。








――感情が理性を凌駕した。





.

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設定タグ:特撮 , 仮面ライダー龍騎 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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あめ。 - 言葉遣いがとても好きです!更新止まってますが楽しみにしてます。 (2018年3月25日 2時) (レス) id: f3914f5645 (このIDを非表示/違反報告)
。わふわふ←(プロフ) - カリンさん» ありがとうございます!頑張らせていただきます…!( ;A;) (2017年10月22日 20時) (レス) id: 86de2b45b0 (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 私も龍騎大好きです!更新頑張ってください!! (2017年10月22日 15時) (レス) id: 97bd3a2bc5 (このIDを非表示/違反報告)
。わふわふ←(プロフ) - Sさん» ありがとうございます…!頑張らせていただきます( ;∀;) (2017年10月21日 17時) (レス) id: 86de2b45b0 (このIDを非表示/違反報告)
- 龍騎好きだから嬉しいです!更新頑張ってくださいヽ(´∀`咲)ノ (2017年10月21日 16時) (レス) id: d45008529a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:。わふわふ← | 作成日時:2017年9月18日 20時

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