人魚のように 桃×青 ページ20
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学パロ
ざざーっ、ざざー…寂しいような綺麗な波の音がずっと聞こえる
ここは夏の終わり、クラゲが多い海辺
ふよふよと浮かぶ綺麗な浮遊体は触れば危険。見た目に騙されないで、なんて、くらげを触りたいとは俺は思わへんで
ちゃぷん、と少し冷たい海水に足をつける
足元を見れば透明な海水と、透けるローファー
じわじわと海水が入ってきて、あっという間にびたびたになった靴下とローファー。
気持ち悪い感覚もすぐに慣れて、どんどんと足を進めていく。
奥に進めば進むほど、制服のズボンは濡れていき、海の流れに足を取られそうになる
このまま消えてなくなればええのに
このまま、泡になって消えてなくなりたい。
綺麗な人魚でも、綺麗な歌声をしてるわけでもない。だけど、誰か一人愛する人を思ってこのまま消えていけたらいいのに…
誰もいない浜辺では、人一人いなくて、ごつい岩とさらさらとした黄色いような白いような砂浜と、真っ赤に染まる夕日。
どんどん足を進める。
もうすでに上半身も浸かり始めた。
冷たい水と底が見えなくなる感覚が、どうにかして恐怖を煽ろうとしてるように見える。
だけど今の俺には最後の足掻きもなにもないのだ。
ちゃぷん、ちゃぷん。
こぽこぽ、ざざー…
何も聞こえない何も聞きたくない。
海水に顔をつけ、潜り、顔を上げた。
目の前に人がいて、思わずびっくりした
「え、どなたですか?」
「え、いやいやいや!それはこっちのセリフ!ってか死ぬつもりや思うたやん!?」
「え?なんで?」
「え、だって制服のまま海に歩いて入ってたらそりゃ思うやろ!」
「あー……あれ。なんでやろ、俺なんでこんなことしてんねやろ…」
目の前のイケメンは慌てたように俺の腕を掴んで、不安そうな目をする。
なんなん自分、大丈夫か?と笑うイケメンに、なんとも言えなくなる自分
何故海に入っていたのか自分でもわからないのだが、このイケメンは死ぬんじゃないかと心配して駆け付けてくれたらしく、いい人やなぁ……あ、ただ単に俺が変な人なだけか…。
「…そもそも、なんでここに人がいるんすか」
ここは地元の人でもあまり知らない浜辺である。
森を超えていかないとこれない穴場スポットで、俺がきてる時に誰か人が来たことなんてないのに…
「え?俺?んー…なんでやろなぁ…」
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まゆ(プロフ) - りゅかみ最高過ぎます!!!!もっとシリーズみたいです!更新楽しみにしてますね! (2017年9月30日 22時) (レス) id: 9340f54567 (このIDを非表示/違反報告)
Ryuka(プロフ) - 悠さん» リクエストありがとうございます!切ない話ですね!細かく指定ありがとうございます!気長にお待ちいただけたらうれしいです (2017年9月29日 22時) (レス) id: 3b0ec55233 (このIDを非表示/違反報告)
Ryuka(プロフ) - なのりんさん» どうしても続きが書きたくなって書いてしまいました…勝手にすみません!気に入ってもらえて嬉しいです!これからも頑張ります!本当にコメントありがとうございます! (2017年9月29日 22時) (レス) id: 3b0ec55233 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - リクエスト失礼します。桃×青で切ない話が読みたいです。青があえて嫌われるように別れる話が読みたいです。最後はハッピーエンド希望です。よろしければお願いします。 (2017年9月29日 18時) (レス) id: 6734915c2a (このIDを非表示/違反報告)
なのりん - 『あなたには青が似合う』の続きも書いてくださってありがとうございます!ヤバイです!私こうゆう設定好きなんで『群青メランコリック』から『人魚のように』まで書いてくださって嬉しかったです!これからも頑張ってください! (2017年9月27日 20時) (レス) id: 75211ab2e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ryuka | 作成日時:2017年9月14日 10時