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「高嶋さん」
「……あ、えっと」
「佐藤です」
「ああそうだ、佐藤くん……」
あの事実を知って以来家を飛び出した私は、住んでいた家から隣の市な離れた場所にあるアパートを借りて暮らし始めた。
どうやら義母たちは私の学費は払っているらしいが、当の本人が学校に来ないのを不審に思っているのだろう。
私のことを放ったらかしな親に代わって、場所を割り出したのはクラスの委員長の佐藤くんだった。
サンダルを履き、家の前の廊下に出てくるとこの辺りには似合わない爽やかな風が頬を撫でたような気をしていた。
円な瞳には正義感が満ち溢れており、きっとこの人は乱れの無い美しい世界で生きてきたのだろうと思わせる爽やかな好青年だ。
学校指定の学ランのボタン1つもゆるめないなど、窮屈な人だなとぼんやり思う。
対して私は、少し伸びたTシャツに肌触りの良い素材で出来たハーフパンツというだらしない格好をしていた。
いつから服装に気を遣わなくなったのかは分からないが、母子手帳を手渡された日に私は軽く死んだ。
多分、そのせいだ。
「高嶋さんって、うちの高校首席で入った程頭良いのに、どうして来ないの?勿体無いよ」
「首席?」
「ほら、入学式の時新入生の代表で式辞読んでたでしょ?あれ、毎年首席がやるんだよ」
「へえ、知らなかった」
「それより、どうして来ないのか……」
佐藤くんは生真面目な子らしい。
きっと執拗に問いかけてくるのだろう、と踏んで薄く形の良いその唇に微かに触れてみた。
それだけで佐藤くんの顔は熟した林檎の赤味を帯び、慌てて袖口で唇を拭った。
彼の掛けている眼鏡にさえその動揺は伝わり、指で眼鏡をそっと直してやった。
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miU(プロフ) - おかえりなさい!これからの更新楽しみにしています! (2018年4月25日 7時) (レス) id: b909dcbe9a (このIDを非表示/違反報告)
Ryrie**(プロフ) - みうさん» みうさん、ありがとうございます。これからさらに落ち着かなくなるような展開を考えていますので、是非最後までお付き合いくださいませ。 (2018年1月13日 22時) (レス) id: 3c581ac854 (このIDを非表示/違反報告)
みう - どきどきして心が落ち着きません!続きを楽しみにしています! (2018年1月7日 23時) (レス) id: b909dcbe9a (このIDを非表示/違反報告)
Ryrie**(プロフ) - カグラさん» カグラさん、ありがとうございます。まだまだ序盤ですがこれからも見てくだされば幸いです。 (2018年1月5日 22時) (レス) id: 3c581ac854 (このIDを非表示/違反報告)
カグラ(プロフ) - ずっと待ってました!この世界観が好きで更新するたび楽しく読ませてもらってます(о´∀`о)これからも待ってます! (2018年1月4日 14時) (レス) id: 55da401ce9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅島 | 作成日時:2017年9月20日 16時