そして君に僕は溺れる ( Yt × Ym ) (ページ7)

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Yt side

無事初日を終えた放課後は

カラオケに行こうと、さっそく約束をしてたり

一緒に服見に行こう、などと誘っていたり

それぞれ出来たグループでみんなぞろぞろ帰っていく

「ゆうてぃ、一緒に帰ろ。」

まだ少し、ぶかっとしている制服に身を包んだ知念が俺に話しかけてきた

「いいね、一緒に帰ろ」

『あ！ねぇねぇ、俺も一緒にいい？？』

・

少し高めの鼻にかかった甘い声

カバンを持った山田くんが話しかけてきた

知念は人見知りなのか俺の後ろに縮こまって隠れている

それをみた山田くんはしゅん、と眉を下げ

『あ、ごめんね、びっくりしたよね

えと、俺も一緒に帰っていいかな？

迷惑、かな？？』

怖がらせないようにゆっくり話しかけるのは

きっと彼の暖かい優しさだろう

知念は俺の後ろからゆっくり顔を出し

首を横に振る

『ほんとに？ふふ、ありがとう。えっと…』

「知念、知念侑李…」

『あ、ありがとうっ、よろしくな、知念っ』

「よ、よろしく…山田くん」

・

・

・

・

・

帰り道

俺は一人、前の二人を見つめていた

さっきまでのぎこちなさは何処へやら

「ほんと、涼介ってどんな不良だと思ったら、まさかこんな馬鹿だと思わなかったよ」

さっきまで縮こまっていたのに
帰り道では山田くんにさらっと毒を吐く知念

『なっ、馬鹿って…いや、否定しないけどさ、
てか裕翔と知念ってどうやって仲良くなったの？
俺なんて話しかけられただけで
ビビられたのにさぁ』

すると知念はそうだなぁ、と首を傾げ

「まぁ、知り合いがゆうとのこと知ってたって言うのも理由の一つなんだけど、
ゆうとって、何だか話しかけやすいんだよなぁ…
僕、誰にでも話しかけられるわけじゃないし」

すると山田くんは、わかる！と話を続け

『裕翔ってなんか、雰囲気優しいんだよな、
なんていうんだろ、ほら、おじいちゃんみたいな』

「おじいちゃんって、
俺一応山田くんと知念と同い年なんだけどー？」

『あははっ
違うよーそれだけ和むって事だって』

・

山田くんは俺の方を叩き大笑いする

知念もくくく、と堪えきれていない笑い声を漏らす

この時にはもう3人の中に緊張感など無かった

君が俺のことを和むと言ってくれたこと

俺はまださっきの事のように覚えてるよ

でも意味を知るのは

君が耳を赤くしていたのを知るのは

・

まだまだ先の話