そして君に僕は溺れる ( Yt × Ym ) (ページ24)

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23（Yuto's past）ページ24

Yt side

｢え…？｣

やまは俺の手を取り、自分の頬にそれを添えた。

白く、滑らかなその肌は

しっとりと涙に濡れていた。

『いいよ、不幸にしてもいいから…

だから、そんな事言わないで…っ』

｢っ…やま、…俺の話、聞いてくれる…？｣

やまになら話そうと思った。

それだけ自分のことを思ってくれるやまになら。

俺は決して開けてこなかった記憶の箱を

再び開けることにした。

・

・

ｰpastｰ

俺は中学の時、母親に捨てられた。

父親は俺が5歳の時に病気で亡くなった。

俺は母のことが大好きだった。

でも母は次第に父でも俺でもない

他の誰かと一緒にいるようになって

ついに俺は捨てられた。

愛される事がないまま。

その捨てられた母に最後に言われた言葉

｢あなたにもう疲れたの。

もう耐えられない。｣

それから俺は変わった。

最初は外見だけ見て寄り付いてきた子たちも

みんな俺を重いと言って捨てた。

みんな俺を捨てていった。

そんな中、ある女の子だけは

唯一その愛に応えてくれた。

俺はその子に甘えすぎたんだ。

その子はあまりにも俺が執着していたから

他の女子から俺の所為でいじめられた。

そして

学校に来れなくなったんだ。

その子は俺にこう言った。

｢私はあなたの愛に精一杯応えてきた。

もう充分でしょ？｣

・

俺は人を愛すると、とことん執着してしまう。

束縛とは違う、そう、執着なんだ。

俺はトラウマから自分の傍に居てくれる人に

執着せずにはいられなくなってしまった。

そして、その執着が

沢山の人を不幸にしてきた。

人を好きになってしまった罰だったのだ。

・