そして君に僕は溺れる ( Yt × Ym ) (ページ18)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:13,228 hit

17 ページ18

Yt side

『裕翔こういうカーディガン羽織っても

めっちゃ似合いそう！』

『いいねー、ダボッとしたシャツもかっこいい！』

・

カフェを出て、すぐ近くのショッピングモール

で、やまが服を見たいというので

一緒に服を見に来た。

｢やまの服見に来たのに

俺の服ばっか見てるけど、いいの？？｣

するとやまはニカっと少年のような笑みを浮かべ

『だって、俺服見たいとは言ったけど

"自分の服"とは言ってないよ？？』

…なるほど。

始めから俺の服を見ようとショッピングモール

に来たわけね。

やまは俺が自分の服を見に行くと言えば

付いてくるのを分かっていたわけである。

俺は高校生になってからというもの

全くお洒落な服を着るということが無くなった。

理由は簡単で

ただ単に寄ってくる女子が面倒なだけなのだ。

人を見た目で判断し、近づく女が大嫌いだ。

そのため、高校からは極力地味な格好をしている。

・

｢俺の服見たって、やまつまんないでしょ？｣

大量の服をカゴにいっぱい詰め込んで

俺の待つ試着室へ嬉しそうにやって来るやまに

俺はそう問いかけた。

『え？なんでー？

裕翔のコーディネートするのちょー楽しいよ！

だってこんなにイケメンでスタイル良くて

こっちも考えがいがあるよ！』

｢そういえば

なんでやまは俺が素顔隠してるって分かったの？

俺やまと仲良くなってからやまの前で

メガネ外したところ見せたことあるっけ？｣

前から疑問に思っていたことをやまに聞いてみた。

今思えば入学式の時からそうだった。

やまははじめから俺の素顔を知っているかのように

イケメンだと言ってくれるのだ。

他の生徒から見れば謎だとしか

思わないはずなのに。

『え！？えと…無いけど…その、

め、メガネと前髪で隠れてても俺の目は

騙せないってことだよ！！

それに、裕翔の目って凄く綺麗で、

初め見たときからすぐ分かったの。』

まあ、裕翔がどう思ってるかは分からないけど

と、眉を下げて微笑む。

やまと知念は俺がどんな姿をしていても

変わらずに接してくれる。

どんな姿でも裕翔は俺にとってはかっこいいと

迷うことなく言ってくれるやまは

見た目で判断されてきたからこそ

俺の気持ちを理解してくれるのだと思う。

｢てかやま、そんなに服持ってきて

いつまでファッションショーしてるの！｣

『ええーっ！！』

こういうのも悪くないなと、少し思えた時間。

・