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Yt side





お土産を買って、帰り道

今日の思い出を振り返っていた。


やまが迷子になりかけたこと。

俺が天井に頭を思い切りぶつけたこと。

その他にも沢山やまとの思い出ができた。


『あはは!

もー裕翔思いっきりぶつかってたよね!

すっごい鈍い音したもん絶対アザできたよ!』


「そういうやまこそ!

いきなり消えたと思ったら

半泣きで迷子になってたじゃん!」


『ま、まぁ…2人ともバカだったって事で』


『「ぷっ……あははっ」』


そうしてお互いを見つめ合い、笑い合う。

この優しい空間から、沈黙が生まれる。


『裕翔、聞いて欲しいことがあるの…』


やまは唇を噛み締め、耳を真っ赤にして

俺に話しかける。

分かってる、でもその先の言葉を言わせては

いけないのだ。

俺にそんなこと言われる資格なんてないんだ。


『あのね、裕翔…おれ、裕翔のこと…』


だめ。


お願い。


その先を言わないで。





















『好きなんだ。もちろん、恋愛感情で』



「…だめだよ…」



『……え、?』



「やまは、俺なんかを好きになっちゃだめ。

やまを不幸にしたくないんだ…っ」


そうだ。

俺は何度も味わったではないか。


何度も俺の所為で人を不幸にしてきたではないか。





















「好きになんか…なっちゃだめだ…っ」


俺は気持ちを抑え、出そうになった涙を隠す。

こんな顔をやまに見せたくはない。


「ごめん、っ…途中までしか送れなくて、

じゃあ、また明日ねっ…」



俺はやまに背を向け、逃げるように帰っていった。



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作者名:┼山田いちご┼ | 作成日時:2018年3月15日 10時

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