18話 ページ19
翌日
「えっ‥私は緋龍城に‥戻るのですか?
スウォン様が彩火城に行かれるのならば私も‥」
スウォン様から
話があると言われ聞いたことは
私の緋龍城への帰還だった。
「いえ、イオリは城に戻ってください。
今回の戦いは特別に出陣許可を
しましたけれど‥‥
本来は城にいて欲しかったのですから」
「でも、護衛として‥スウォン様と
一緒にいさせて下さい‥!」
「こ、困りましたね‥」
スウォン様は頬を赤くしてポリポリと頭をかく
‥‥スウォン様?
「いいですか。イオリ
護衛はジュド将軍らがいますし‥
それに、貴方は私の妃なんですから
それで十分です。すぐ私も戻りますから」
うう‥‥
私もお供して差し上げたいのに‥‥でも。
「でも、私は正式に
あなた様の妃ではないですよ?
私は仮の‥‥」
ふと気づいたことを伝えると
スウォン様は何故か苦笑いされた
「え?私、変なこと言いましたか‥?」
「いえ、何も。
それではイオリ
道中気をつけて下さいね」
「はい。スウォン様も」
こうして別れ
緋龍城へと戻った私はある部屋に向かった。
今は既に片付けられてしまい
元の面影は無くなってしまっているが
ここは、ヨナ様の部屋だった。
戦場で見かけたときは
ハク様と同様、私に気づかれなかった様子だが
私は
あのときの姿を鮮明に思い出せる。
ヨナ様は阿波の時と比べると
弓を手にしご立派になられていて
少し嬉しいような‥
城にいた頃と変わられて寂しいような‥
複雑な気分。
あと、姉様。
とりあえず元気そうで良かった。
本当なら
もっと話がしたかったけれど
ヨナ様達と行動を共にしているのなら
そうもいかない。
次に会ったときには敵となるだろうから
いずれか
あの赤髪の少女とその一行は
王座を取り戻しに来るかもしれない。
その時には
私は槍を手に戦う
相手が四龍だろうと誰であろうと。
すべてはとても大切なあの方の為に
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作者名:暁風の夢 | 作成日時:2015年12月3日 22時