緑の風を探して (ページ17)

今日:14 hit、昨日:8 hit、合計:56,804 hit

16話ページ17

虎だと錯覚させ馬脚を乱れさせたり
落とし穴の作戦
スウォン様の戦略は見事なものでした。
さすが‥。
「この戦の犠牲を最小限に抑えるのが
私の仕事です」
と言うスウォン様は"王の顔"をしていた。
けれど、空の部族の中央に連合軍に侵入され
その勢いを止められず後退を余儀なくされてる
「スウォン様‥持ちこたえられますでしょうか?
援軍が遅れたら‥」
「大丈夫ですよ。ほら」
ザッザッ‥足音がする方向をスウォン様が指差す「待たせたな。空の部族」

遅いですよ‥!グンテ将軍!

「さてと久々の戦だ存分に暴れるぞ!!
つづけぇぇぇ!!!」
士気の高い援軍の進撃のおかげで逆転
しばらくして
千州軍が退いていくのが見えた。

私は懐からある物を取り出し手首にはめる
緑色の石で出来た腕輪です。
これは、お守り。
"力"を増幅させるための物
「イオリ‥本当にその服装で行くのですか‥?
やはり、武装をしていた方が‥」
「大丈夫です。この格好が私の武装ですから」
スウォン様に心配かけさせないように、と
私は微笑んで見せた。
けど
スウォン様が心配なさるのも無理ない
私はいつもの服装に外套を羽織った軽装で
敵陣に行こうとしているのだから。
でも、鎧を着たり武装すると動きにくく
私には不要なのです。
「‥無事に帰ってくると約束して下さい
私に‥‥王として立場が無ければ‥‥
共に行けるのですが‥‥‥」
「もちろん。約束致します
無事に帰ってきますから」
コクリとスウォン様が
頷いたのを見届けると私は目を閉じ
集中する。
‥‥‥よし。
私は強く足を踏み出し駆け出した。
目指すはスジン将軍のもとへ
この軍が乱れている中確実に仕留めます‥!!
「うわあああ!!」
スジン軍本陣に近づくにつれ
何故かスジン軍は戦闘を行っている。
次々と兵士が吹き飛ばされるという
あり得ない光景
ジュド将軍やグンテ将軍はスウォン様のもと‥
一体誰が‥‥!?

目に写ったのは
見慣れた大刀と日の光に反射し光る赤髪

‥‥‥ヨナ様‥‥?
ハク、様‥‥?

ふと視線を感じてそちらをチラリと見ると
その人と目があった。

私の、探している人を見つけた。

忘れもしない大切な人

「シオン姉様‥‥‥!?」