62話 ページ37
「待って、イオリ！」
その声に呼び止められ、私は思わず振り返る。
緑の髪を棚引かせて走り寄って来る姉様話と、ジェハの姿があった
「姉様、体は大丈夫ですか？」
「今は、大丈夫」
私を安心させるかのように笑う姉様。
「や、久しぶりだね。"スウォン"君」
「お久しぶり…です」
スウォンとジェハはお互いに、姿を確認すると
声を交わした。
ジェハがスウォンのことを、偽名の"ウォン"の方で呼ばなかったのは、スウォンを"国王"として見ているからだろうか。
「私、これだけは伝えたかったんだ」
姉様の視線が、真っ直ぐに向けられる。
私も見つめ返した。
「元気で。良い皇后になってね」
――――最後の別れじゃあるまいし、そんなこと……言わないで、下さい
自分の意思とは無関係に涙が溢れ出てくる。
それは、もう止められなくて。
涙を流す私を姉様は、私を優しく抱き締めてくれた。私は、あったかいこの場所が好き。
「スウォン君。イオリちゃんを頼むよ。
そして“犠牲の上に得た地位“で、僕達の王も納得する国を見せてくれるかい？」
私が泣き止んだことを確認してから、ジェハはスウォンに挑発的な言葉を投げ掛ける。
すると、スウォンは「はい」と頷いた。
「勿論です。イオリと２人で建て直し平和な国を作り上げます」
ぐいっ。スウォンの方に引き寄せられた。
彼に寄りかかるような体勢になると、ぎゅっ、と私を抱きしめた。
「心配しないで下さいね。お姉さん
必ずイオリを幸せにしますから」
――――ちょっ、スウォン……。
姉様に、そう告げるスウォン。私は恥ずかしくて、どうにかなりそうだ。
「仲良くて何より！幸せにね」
「熱いね。溶けちゃいそうだよ」
姉様とジェハが口々に言う。
「まぁ、僕達も負けてないけど？」なんて言うジェハ。だが、照れ隠しか姉様のパンチが炸裂していた。
「ま、ジェハも頑張って下さいっす」
「ああ。キハト君もね」
仲良さそうに言葉を交わすキハトとジェハ。
いつの間に仲良くなったのか。
「ジェハも、シオン様もお元気で」
キハトは最後に、丁寧な動作で一礼する。
私は最後に、姉様とジェハに向かって
こう言った
言いたいことは沢山あるのに、言葉が纏まらなくて…嫌になる。
「“お姉ちゃん“ 大好き
ジェハと二人、幸せになってね」
私は、二人の幸せを願ってるから。
いつまでも。
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暁風の夢(プロフ) - 芽留さん» ありがとうございます！更新は遅くなるかもしれませんが精一杯頑張ります！ (2016年5月7日 21時) (
レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
芽留 - 初めまして(//∇//)小説大好きです(*≧∀≦*)これからも頑張って下さい＼(^o^)／ (2016年5月7日 21時) (レス) id: 9850d6f22d (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - りりらさん» ありがとうございます！これからも この作品をよろしくお願いします (2016年3月25日 19時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
りりら - 一気に読んでしまいました！面白かったです (2016年3月25日 19時) (レス) id: c83de81e00 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - きーや(｡-_-｡)さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです (2016年3月24日 10時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁風の夢 | 作成日時：2015年12月3日 22時
