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54話 ページ29

「な…傷が治った…!?」

「馬鹿なこと言うな!見間違いだ。
今度こそ確実に殺してやる…!」

後ずさる兵士を横目に、もう1人の兵士が黄龍に剣を向ける。だが、1歩も動かない。

再生能力を使って怖がらせて追い払うつもり。なのだろうか。…止めて。そんなこと。

カキン、私は剣を弾き飛ばした。そうして、宙を舞った剣は地に落ちた。

「止めて下さい。傷つくのは私だけで十分です」
「……妹さん…」

チラリと、キハトに目配せすると、槍を握り直した。

「下がりなさい。黄龍」
「イオリ様も無茶しないで下さいよ?
…見てるこっちの心臓が止まりそう」

本気で心配してくれるキハトに、私はただ笑って返した。無茶しない約束なんて出来ない。

「キハト、まだいけますか?」
「勿論ですってば。いつまでも付き添いますよ?」
「なら、もう暫くお願いしますね」
「了解ですっ」

呆然と見つめる姉様やヨナ様達に見守られ
私とキハトは兵士達に突っ込んでいった。

カキン_カキン__
剣や槍の交わる音を絶え間なく響かせる。



この戦いが終わったら伝えたいことがある。

ただ1人の家族に、暁の姫様に、私の大切な友人に、彼らを生かしてくれた仲間達に

“生きていてくれてありがとう“
“ごめんなさい“

あの夜、失ってしまったものは取り戻せない
それは分かってる。

許されなくてもいいから
一生恨まれてもいいから

今だけは、守らせて。
これが最後だから……


ヒュンッ。突如、暗器が兵士達に降り注ぎ
姉様が隣に降り立った
足元は、ふらふらで危なっかしい状態なのに

「てめぇら…女だからって容赦しねぇぞ」

憎しみの目を突きつける兵士
私には何も、感じない。
不意をつこうと背後にまわった兵士は
姉様の覚醒した力

白き龍の手で殴られ、哀れになる程に
吹き飛ばされていった

「姉様、私に合わせなさい」

「もうイオリってば、いつの間にそんな
可愛いげがなくなっちゃったのかなぁ」

……余計なお世話です

なんて、心の中で呟いてみる
姉様と戦場に立つと昔を思い出した

私と姉様は、いつも一緒で
戦闘で発揮される連携は最強と言われていたっけ

「…私は珍しく腹がたってるからさ。手加減出来ない。覚悟は良いかな」

____姉様は暗器を

「…私も珍しく腹がたってるんです。容赦しません。覚悟は良いですか」

____私は槍を前に突きだした

守りたい。その想いは一緒
背中預けるのはそれさえあれば十分でしょう

タッ。私と姉様は同時に地を蹴った

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暁風の夢(プロフ) - 芽留さん» ありがとうございます!更新は遅くなるかもしれませんが精一杯頑張ります! (2016年5月7日 21時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
芽留 - 初めまして(//∇//)小説大好きです(*≧∀≦*)これからも頑張って下さい\(^o^)/ (2016年5月7日 21時) (レス) id: 9850d6f22d (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - りりらさん» ありがとうございます!これからも この作品をよろしくお願いします (2016年3月25日 19時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
りりら - 一気に読んでしまいました!面白かったです (2016年3月25日 19時) (レス) id: c83de81e00 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - きーや(。-_-。)さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです (2016年3月24日 10時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁風の夢 | 作成日時:2015年12月3日 22時

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